米国のCFNAI(2010年5月)から:CFNAIは2カ月連続で低下!
FRBの傘下には12の地区連邦準備銀行がありますが、それぞれの連邦準備銀行のエコノミスト・グループは特徴のある経済統計を開発・算出しています。
このうち、シカゴ連邦準備銀行が算出しているCFNAI(The Chicago Fed National Activity Index=全米経済活動指数)は、85の月次統計を加重平均して作成したもので、数年前から筆者は重要視しています。
6月28日(月)に、2010年5月のCFNAI(全米経済活動指数)が発表されています。確認しておきましょう。
5月のCFNAIは0.21%となり、5月(0.25%)に比べると、0.04ポイント悪化しました。2カ月連続の低下です。景気回復のスピードが鈍化したことを示唆しています。
なお、2009年1月(-4.14%)が今回の大底となります。
統計算出以来(1967年3月~)のチャートは下記の通りです。2009年1月に大底をつけたあと、上昇基調が続いていましたが、2010年3月をピークとして2カ月連続で低下し、上昇基調に変化がみられます。
CFNAIで重要なのは3カ月移動平均の数値です。CFNAIの3カ月移動平均が-0.70%を下回ると景気後退に入ったことを示し、0.20%を上回ると景気後退が終了したことを示します5月のCFNAI(3カ月移動平均)は0.28%となったため、景気後退が終了したことが確認されたことになります。
一方で、インフレーション開始基準の0.70%には届いていないため、FRBの利上げはまだ先といえます。FRBの超低金利政策はあとしばらく継続する公算が強いといえます。
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