日本の鉱工業生産(5月速報値)から:出荷・在庫モメンタムは3カ月連続で低下!
6月29日(火)に2010年5月の鉱工業生産統計(速報値)が発表されています。足元の生産活動を確認しておきましょう。
下記は鉱工業生産指数(予測値を含まず)と在庫率指数のチャートです。2010年5月の生産指数は前月比-0.10%と低下しました。3カ月振りの前月比マイナスとなっており、前回調査の予測指数(+0.4%)を下回りました。さらに、コンセンサス予想(+0.0%)をも下回っています。生産の勢いは失われつつあります。
一方で、在庫率指数は前月比+4.44%となりました。2カ月連続の上昇です。在庫の減少に歯止めがかかり、再び増加し始めています。
予測指数をみると、6月+0.4%、7月+1.0%となっています(6月の予測指数は前回調査の+0.3%より上方修正された)。2009年2月(71.4%)を大底として、生産活動はまだ増加基調が続いています。なお、大底からの増加率は+34.3%となっています。
下記は予測指数を加えたチャートです。
ちなみに、経済産業省は「総じてみれば、生産は持ち直しの動きで推移している」と前月と同じ表現をしています。基調判断は据え置きです。
下記は出荷・在庫モメンタム(=出荷指数÷在庫指数)のチャートです。5月は21.81で、前月(30.51)に比べれば低下しています。3カ月連続の低下です。
出荷・在庫モメンタムは生産指数の先行指標とみなされていますから、生産活動は今後減少する可能性が高いといえます。
下記は出荷・在庫モメンタムと株価のチャートです。出荷・在庫モメンタムは株価の先行指標とみなすこともできます。出荷・在庫モメンタムの動きからみれば、株価は今後下落する可能性を示唆しています。
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