日本の2009年10月の鉱工業生産統計(速報値)から | COTレポートの読み方

日本の2009年10月の鉱工業生産統計(速報値)から

日本の2009年10月の鉱工業生産統計(速報値)から

・・・生産指数は8カ月連続で上昇、ただし、増加率は縮小!


 11月30日(月)に2009年10月の鉱工業生産統計(速報値)が発表されています。足元の生産活動を確認しておきましょう。


 下記は鉱工業生産指数(予測値を含まず)と在庫率指数のチャートです。2009年10月の生産指数は前月比+0.47%と上昇しました。8カ月連続で前月比プラスとなりましたが、前回調査の予測指数(+3.1%)を下回り、かつコンセンサス予想(+2.5%)を下回っています。明らかに生産増加の勢いがなくなっています。
今後の見通しについては警戒が必要です。


 一方で、在庫率指数は前月比横ばいとなりました。在庫調整はかなりの程度進展した、といえます。


COTレポートの読み方-1130鉱工業生産指数と在庫率指数の推移


予測指数をみると、11月+3.3%、12月+1.0%と、2カ月連続の増加を見込んでいます(11月の予測指数は前回調査の+1.9%より1.4ポイント上方修正された)。2009年2月を大底として、生産活動は増加基調が続いています。


 下記は予測指数を加えたチャートです。


COTレポートの読み方-1130鉱工業生産指数と在庫率指数の推移2


ちなみに、経済産業省は「総じてみれば、生産は持ち直しの動きで推移している」と前月と同じ表現をしています。基調判断は据え置きです。


 下記は出荷・在庫モメンタム(=出荷指数÷在庫指数)のチャートです。2009年10月は1.33で、前月(-4.68)に比べれば上昇しています。8カ月連続の上昇です。


出荷・在庫モメンタムは生産指数の先行指標とみなされていますから、生産活動は今後も上昇する可能性が高いといえます。


COTレポートの読み方-1130鉱工業生産:出荷・在庫モメンタム


 下記は出荷・在庫モメンタムと株価のチャートです。出荷・在庫モメンタムは株価の先行指標とみなすこともできます。出荷・在庫モメンタムの動きからみれば、株価は今後上昇する可能性を示唆しています。足元の株価は軟調ですから、この乖離をどうみるかがポイントとなります。筆者は今は買いチャンスとみています。


COTレポートの読み方-1130出荷・在庫モメンタムと株価


 企業部門についてファンダメンタルズの改善傾向が続いています。しかしながら、先行きについては慎重にみる必要があります。


 

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