ドル円の購買力平価(2009年8月時点) | COTレポートの読み方

ドル円の購買力平価(2009年8月時点)

ドル円の購買力平価(2009年8月時点)

・・・国内企業物価と生産者物価から試算した購買力平価は円高方向に振れる!


外国為替相場の決定理論のひとつとして購買力平価(PPP)があります。日米の8月分の物価統計が出揃いましたので、ここで8月時点のドル円レートの購買力平価を確認しておきましょう。


前提として、日本および米国の経常収支がほぼ均衡していた1980年10~12月を基点とし、インフレ率として消費者物価と生産者物価(日本の場合、国内企業物価)を採用して試算します。


下記がそのチャートです。購買力平価1は国内企業物価と生産者物価で計算した値、購買力平価2は消費者物価で計算した数値です。それぞれの値とプラスマイナス1標準偏差の値をプロットしています。


 8月時点では、購買力1は1ドル=98.07円(前月に比べると1.71円の円高、2カ月振りの円高)、購買力平価2は1ドル=106.84円(前月に比べると0.08円の円安、5カ月振りの円安)と試算されます。購買力1は円高方向、購買力2はやや円安方向に振れています。


COTレポートの読み方-0929購買力平価とドル円相場


 なお、下記は1975年以降の長期チャートです。


COTレポートの読み方-0929購買力平価とドル円相場 2


 下記は、購買力平価1および購買力平価2からの乖離率を示したチャートです。


COTレポートの読み方-0929購買力平価1とドル円相場


COTレポートの読み方-0929購買力平価2とドル円相場

 なお、購買力平価の計算は起点をどうするか、どの物価指数を選択するかで結果が異なってきます。それを前提とした上で活用することが大切です。

-------------------------------------------------------------------------------
*当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。配信する内容は投資判断の参考として筆者の見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものでもありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害についても責任を負いません。当資料の一切の権利は筆者に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じます。
-------------------------------------------------------------------------------


気づきの投資術


マネーの動きで読み解く外国為替の実際






株式投資家のためのFX入門