日本の2009年5月の鉱工業生産統計(速報値)から
日本の2009年5月の鉱工業生産統計(速報値)から
・・・生産指数は3カ月連続で上昇!出荷・在庫モメンタムも3カ月連続で上昇!
6月29日(月)に2009年5月の鉱工業生産統計(速報値)が発表されています。足元の生産活動を確認しておきましょう。
下記は鉱工業生産指数(予測値を含まず)と在庫率指数のチャートです。2009年5月の生産指数は前月比+5.9%と大幅上昇しました。3カ月連続で前月比プラスとなりました。ただし、前回調査の予測指数(+8.8%)を下回っています。
一方で、在庫指数は前月比-0.6%と低下しました。5カ月連続の前月比マイナスです。企業は生産調整の手を緩めていません。その結果、在庫は大幅に減少してきました。在庫調整はかなり進展した、と判断できます。
予測指数をみると、6月+3.1%、7月+0.9%と、2カ月連続の増加を見込んでいます(6月の予測指数は前回調査の+2.7%より0.4ポイント上方修正された)。2009年2月を大底として、生産活動は増加基調に入っています。
下記は予測指数を加えたチャートです。
ちなみに、経済産業省は「総じてみれば、生産は持ち直しの動きが見られる」と、判断を据え置いています。
下記は出荷・在庫モメンタム(=出荷指数÷在庫指数)のチャートです。2009年5月は-21.76で、前月(-23.52)に比べれば上昇しています。3カ月連続の上昇です。
出荷・在庫モメンタムは生産指数の先行指標とみなされていますから、生産活動はさらび上昇する可能性が高いといえます。
なお、下記は出荷・在庫循環のグラフです。45度線の右側のゾーンで、左斜め上方向に動いています。企業の在庫調整はかなり進展しています。45度線の左斜めの領域に入れば、景気拡張局面に入ったことを意味します。
このチャートをみる限り、景気後退局面はあと数カ月で終了する可能性があります。
下記は出荷・在庫モメンタムと株価のチャートです。出荷・在庫モメンタムは株価の先行指標とみなすこともできます。出荷・在庫モメンタムの動きからみれば、株価は今後さらに上昇する可能性を示唆しています。
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