ドル円の購買力平価・・・2カ月連続で円高方向に振れる!
ドル円の購買力平価(2009年5月時点)
・・・2カ月連続で円高方向に振れる!
外国為替相場の決定理論のひとつとして購買力平価(PPP)があります。2009年5月時点の物価統計が出揃いましたので、5月時点のドル円レートの購買力平価を確認しておきましょう。
前提として、日本および米国の経常収支がほぼ均衡していた1980年10~12月を基点とし、インフレ率として消費者物価と生産者物価(日本の場合、国内企業物価)を採用して試算します。
下記がそのチャートです。購買力平価1は国内企業物価と生産者物価で計算した値、購買力平価2は消費者物価で計算した数値です。それぞれの値とプラスマイナス1標準偏差の値をプロットしています。
5月時点では、購買力1は1ドル=100.76円(前月に比べると0.63円の円高、2カ月連続の円高)、購買力平価2は1ドル=108.04円(前月に比べると0.53円の円高、2カ月連続の円高)と試算されます。購買力1と2は円高方向に振れており、現在のドル円相場(6月26日時点で1ドル=95.18円)に比べると乖離率は拡大傾向にあります。
なお、下記は1975年以降の長期チャートです。
下記は、購買力平価1および購買力平価2からの乖離率を示したチャートです。
なお、購買力平価の計算は起点をどうするか、どの物価指数を選択するかで結果が異なってきます。それを前提とした上で活用することが大切です。
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