日本の2009年2月の鉱工業生産統計(速報値)から:生産指数は5カ月連続で低下!
日本の2009年2月の鉱工業生産統計(速報値)から
・・・生産指数は5カ月連続で低下!在庫調整が進展中!
3月30日(月)に2009年2月の鉱工業生産統計(速報値)が発表されています。足元の生産活動を確認しておきましょう。
下記は鉱工業生産指数(予測値を含まず)と在庫率指数のチャートです。2009年2月の生産指数は前月比-9.4%と急低下しました(5カ月連続の大幅低下)。過去最高水準の下落率を継続しています。
一方で、在庫率指数は前月比+4.6%と上昇しました(5カ月連続の上昇)。
企業は引き続き生産調整の手を緩めていません。
予測指数をみると、3月+2.9%、4月+3.1%と、2カ月連続の増加を見込んでいます(3月の予測指数は前回調査の+2.8%より0.1ポイント上方修正された)。2月を大底として生産が今後増加してくるかどうか、次回以降のデータがポイントとなります。
下記は予測指数を加えたチャートです。
ちなみに、経済産業省は「総じてみれば、生産は急速に低下している」と判断しています。基調判断は据え置きです。
下記は出荷・在庫モメンタム(=出荷指数÷在庫指数)のチャートです。2009年2月は-35.18で、前月(-34.36)に比べればわずかに低下しています(5カ月連続の低下)が、下げ止まりの兆候が出てきました。
特に2月の在庫指数(季節調整値)が前月比-4.3%となり、2カ月連続で低下していることが注目されます。在庫調整は進展しつつあります。
出荷・在庫モメンタムは生産指数の先行指標とみなされていますから、生産活動は近い将来、底打ちする可能性を示唆しています。
なお、下記は出荷・在庫循環のグラフです。45度線の左斜め下方向に動いています。企業の在庫調整は進展しつつあります。このチャートをみる限り、景気後退局面はさらに1年程度続く可能性が強いと思われます。
下記は出荷・在庫モメンタムと株価のチャートです。出荷・在庫モメンタムは株価の先行指標とみなすこともできます。出荷・在庫モメンタムの動きからみれば、株価は今後下下げ止まる可能性を示唆しています。
現在の株価水準が上記の悪材料をどの程度織り込んだかがポイントです。
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