日本の2008年12月の鉱工業生産統計(速報値)から | COTレポートの読み方

日本の2008年12月の鉱工業生産統計(速報値)から

日本の2008年12月の鉱工業生産統計(速報値)から

・・・生産指数は3カ月連続で大幅低下!生産調整続く!


 1月30日(金)に2008年12月の鉱工業生産統計(速報値)が発表されました。足元の生産活動がどうなっているか、確認しておきましょう。


 下記は鉱工業生産指数(予測値を含まず)と在庫率指数のチャートです。2008年12月の生産指数は前月比-9.6%と急低下しました(3カ月連続の大幅低下)。過去最高の下落率を更新しました。


  一方で、在庫率指数は前月比+6.5%と急上昇しました(3カ月連続の上昇)。


 今回の需要減退(在庫の積みあがり)と生産調整がいかに厳しいものであるかがわかります。


 COTレポートの読み方-鉱工業生産指数と在庫率指数の推移


予測指数をみると、1月-9.1%、2月-4.7%となっています(1月の予測指数は前回調査の-2.1%より大幅下方修正された)。生産は減少傾向が強まっています。


 下記は予測指数を加えたチャートです。生産調整の大きさは衝撃的です。


COTレポートの読み方-鉱工業生産指数と在庫率指数の推移2


ちなみに、経済産業省は「総じてみれば、生産は急速に低下している」と判断しています。基調判断は据え置きです。


 下記は出荷・在庫モメンタム(=出荷指数÷在庫指数)のチャートです。2008年12月は-25.24で、前月(-21.31)に比べればさらに低下しています(3カ月連続の低下)。出荷・在庫モメンタムは生産指数の先行指標とみなされていますから、生産活動は近い将来にはさらに減少する可能性を示唆しています。


COTレポートの読み方-鉱工業生産:出荷・在庫モメンタム


 なお、下記は出荷・在庫循環のグラフです。45度線の右斜め下方向に大きく動いています。企業の在庫調整は急激です。このチャートをみる限り、景気後退局面はさらに1年以上続く可能性が高まっています。


COTレポートの読み方-出荷・在庫循環の推移


 下記は出荷・在庫モメンタムと株価のチャートです。出荷・在庫モメンタムは株価の先行指標とみなすこともできます。出荷・在庫モメンタムの動きからみれば、株価は今後さらに下落する可能性を示唆しています。


現在の株価水準が上記の悪材料をどの程度織り込んだかがポイントです。

 


COTレポートの読み方-出荷出荷・在庫モメンタムと株価

 


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