日本の2008年7~9月期の実質GDP統計から | COTレポートの読み方

日本の2008年7~9月期の実質GDP統計から

日本の2008年7~9月期の実質GDP統計から

・・・政府も景気後退局面入りを宣言!


 11月17日(月)に、7~9月期の実質GDP成長率(一次速報値)が発表されました。足元の状況を確認しておきましょう。


 下記は実質GDPの前期比年率と名目GDPの前年同期比をプロットしたチャートです。実質ベースでは前期比-0.1%、年率では-0.4%となりました(4~6月期は前期比-0.9%、年率では-3.7%に下方修正)。2四半期連続のマイナス成長であり、文字通り日本経済が景気後退局面にあることが確認されました。


  政府も公式に景気後退局面入りを宣言しています。
 
 一方で名目GDPをみると、前期比-0.5%、前年同期比では-1.7%となっています。前年同期比でみれば3四半期連続のマイナス成長となっています。


081120日本の実質GDPの推移


 下記はGDPデフレーターと家計消費支出デフレーターの前年同期比伸び率のチャートです。GDPデフレーターはまだマイナス領域にありますが、家計消費支出デフレーターは前年同期比+0.85%となり、3四半期連続で上昇しています。家計にとってはインフレとなっていることがわかります。


081120GDPデフレーター・前年同期比の推移
 

 下記は4~6月期までの法人企業統計を用いて、経常利益/名目GDPの比率をチャートにしてみました。経常利益/名目GDP比率はすでにピークをつけ、今後大幅に低下することが予想されます。


081120経常利益/名目GDPの


 最後に下記は、東証一部の時価総額と名目GDPの比率をチャートにしたものです(時価総額は9月末の数値を採用、直近の数値を使えば時価総額/名目GDP比率はさらに低下)。PER(株価収益率)の代替値とみることができます。


  名目GDPはあと数四半期減少する可能性がありますが、現在の株価はすでにそれを織り込んでいると考えられます。



081120時価総額/名目GDP比率




-------------------------------------------------------------------------------
*当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。配信する内容は投資判断の参考として筆者の見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものでもありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害についても責任を負いません。当資料の一切の権利は筆者に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じます。
-------------------------------------------------------------------------------



ダイヤモンド「株」データブック 2008年 10月号 [雑誌]



マネーの動きで読み解く外国為替の実際
¥1,470
Amazon.co.jp




株式投資家のためのFX入門