日本の2008年9月の鉱工業生産統計(速報値)から | COTレポートの読み方

日本の2008年9月の鉱工業生産統計(速報値)から

日本の2008年9月の鉱工業生産統計(速報値)から

・・・2カ月振りに上昇!しかし、経済産業省は基調判断を下方修正!


 10月29日(水)に2008年9月の鉱工業生産統計(速報値)が発表されています。足元の生産活動がどうなっているか、確認しておきましょう。


 下記は鉱工業生産指数(予測値を含まず)と在庫率指数のチャートです。9月の生産指数は前月比+1.2%と上昇しました(2カ月振りの上昇)。事前のコンセンサス予想(+0.3%程度)に比べれば良い数値です。


  また、在庫率指数は前月比-0.6%とやや低下しました。ただし、3カ月移動平均でみれば上昇基調となっています。


1029鉱工業生産指数と在庫率指数の推移


予測指数をみると、10月-2.3%、11月-2.2%となっています(10月の予測指数は前回調査より下方修正された)。生産は減少傾向にあると判断できます。


 下記は予測指数を加えたチャートです。


1029鉱工業生産指数と在庫率指数の推移2


ちなみに、経済産業省は「総じてみれば、生産は緩やかな低下傾向で推移している」と判断しています。前月(8月)は「総じてみれば、生産は弱含みで推移している」ですから、今回、基調判断を下方修正したことになります。


 下記は出荷・在庫モメンタム(=出荷指数÷在庫指数)のチャートです。9月は-3.78で、前月(-3.50)に比べればやや反発しています(2カ月振りの上昇)。出荷・在庫モメンタムは生産指数の先行指標とみなされていますから、生産活動は近い将来にはやや増加する可能性を示唆しています。


1029鉱工業生産:出荷・在庫モメンタム


 下記は出荷・在庫モメンタムと株価のチャートです。出荷・在庫モメンタムは株価の先行指標とみなすこともできます。出荷・在庫モメンタムの動きからみれば、株価は今後反発する可能性を示唆しています。



1029出荷・在庫モメンタムと株価


 

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