米国の2007年12月の雇用統計から | COTレポートの読み方

米国の2007年12月の雇用統計から

1月4日に発表された12月の米国雇用統計は、非農業部門の雇用者数が前月比1万8,000人の増加となり、市場関係者の予想(+7万人程度)を大きく下回り、証券・金融市場・外国為替市場は大混乱となりました。

毎月の発表数値で一喜一憂すれば、大きな流れを見失う危険性があります。そこで、雇用統計の直近の推移をグラフで確認しておきましょう。

 下記は失業率(軍人を除く)の推移を示したチャートです。12月は5.0%と前月比0.3ポイント悪化しています。このチャートをみると失業率は上昇トレンドに入ったことがうかがえます。

0105グラフ1

 下記は、非農業部門の雇用者数の前月比の伸び率を示したチャートです。

 筆者は米国の実質GDPを占う指標として、非農業雇用者数の前年比伸び率の3ヶ月平均の数値に注目しています。12月は+1.09%まで低下しており、米国経済が減速していることを示唆しています。まだ景気後退には陥っていませんが、重大な局面に入ったことは確かです。

0105グラフ2

 下記は失業保険給付件数のチャートです。直近のデータは12月28日の週まで発表されていますが、増加基調に入ったことは明白です。

0105グラフ3

 ここ数カ月の動きをみると、米国経済の減速は明らかであり、今後景気後退に陥るかどうかが注目ポイントとなります。
 
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