12月24日時点のCME日経平均先物ポジション動向 | COTレポートの読み方

12月24日時点のCME日経平均先物ポジション動向

12月24日時点のCME日経平均先物ポジション動向
… 投機筋による売り越しは依然として高水準


 12月28日(金)東部時間午後3時30分(日本時間では、12月229日の早朝)に、12月24日時点でのCOTレポートが発表されました。なお、25日がクリスマス休暇であったため、今回のレポートは12月24日時点であることに注意が必要です。


  CMEに上場されている日経平均先物取引ついて、コマーシャルズ(実需筋)やノン・コマーシャルズ(CTAやヘッジファンドなどの投機筋)のポジション状況をみてみましょう。


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 コマーシャルズについては、12月24日時点では21,411枚の買い越しとなりました。前週に比べて買い越し枚数は910枚増加しています(3週間振りの増加)。


  コマーシャルズは日本株に対して、「強気」スタンスを維持しています。コマーシャルズの行動は中期的には相
場に影響します。3カ月から半年先を見据えれば、株式相場は上昇する公算が強いといえます。


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 ノン・コマーシャルズについては12月24日時点では23,122枚の売り越しとなりました。前週に比べて売り越し枚数は1,060枚増加しています(2週間振りの増加)。


  投機筋は、日本株に対して「弱気」スタンスを維持しています。


 次に、COTレポートのデータを使って、ラリー・ウィリアムズが考案したCOTインデックスと、それを応用して筆者が考案したNCOTインデックスをみてみましょう。


 12月24日時点での日経平均先物取引のCOTインデックスのチャートは下記の通りです。


  COTインデックスは82.54%となりました(やや上昇)。


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 一方で、下記はNCOTインデックス(ノン・コマーシャルズ指数)のチャートです。これは、ノン・コマーシャルズの行動をみるためにCOTインデックスと同様の計算式で、筆者が計算したものです。


  12月24日時点のNCOTインデックスは2.32%となりました(低下)。ノン・コマーシャルズは売りスタンスをとっています。
 

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 下記は、財務省が発表している対外及び対内証券売買契約等の状況(週次・指定報告機関ベース)のうち、非居住者による株式の取得・処分をまとめたチャートです。


  直近のデータは12月21日に終わる週まで発表されています。外国人による株式取得は3,282億円の売り越しとなりました。3週間連続の売り越しです。外国人投資家のスタンスは「弱気」継続と判断します。


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 下記は非居住者による債券(中長期債および短期債券)の取得・処分をまとめたチャートです。12月21日に終わる週は2,485億円の売り越しに変わりました。11週間振りの売り越しです。


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  なお、今回は東京証券取引所とジャスダック取引所が集計している投資部門別売買状況のデータは発表されていません(年明けの発表となります)。


 下記は、寄り付きの外資系証券の売買状況です(12月28日まで)。4営業日連続で買い越しとなりましたが、売り買いともに株数が減っています。


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 下記は日経平均の週ベースの一目均衡表です。12月28日の終値は転換線の下に位置しています。


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 下記は日ベースの一目均衡表です。12月28日の終値は転換線の下に位置しています。やはり雲が上値抵抗帯として作用しました。なお、転換線が基準線を割り込み、「売り」サインが出ています。


  12月28日のシカゴ日経平均先物(2008年3月限)の終値は15,335円で、28日の大証終値(15,250円)と比べると85円高となっています。


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ラリー・ウィリアムズ, 長尾 慎太郎, 増沢 和美, 吉田 真一, 山中 和彦
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