日本の景気動向指数・速報値(10月)について
12月6日に、日本の10月の景気動向指数(速報値)が発表されました。足元の景気の現状を確認してみましょう。
下記は景気動向指数(DI)の一致指数と先行指数のチャートです。
一致指数は66.7%で、景気拡大の分かれ目となる50%を7カ月連続で上回っています。景気拡大が続いていることを示唆しています。
一方で、10月の先行指数は20.0%で、3カ月連続で50%を下回っています。先行指数は一致指数と比べて数ヶ月先行する指標ですから、今現在(12月)、足元の景気は減速している可能性があります。
このところ先行指数と一致指数の乖離が拡大しているように見受けられます。そこで、先行・一致・遅行のすべての指数を合わせた総合指数のチャートをみてみましょう。
総合指数は2カ月振りに50%を上まわってきました。
DI(ディフュージョン・インデックス)は景気の方向性を示す指標ですが、水準を加味したCI(コンポジット・インデックス)の動きをみてみましょう。
下記は、CIの先行指数と一致指数のチャートです。
一致指数は114.2で、前月比0.71%の上昇(2カ月振りの上昇)となっています。3カ月平均でみると、再び上昇してきました。
一方で、先行指数は100.0(前月比+0.81%)で、4カ月振りに前月比上昇しています。下げ止まったかどうかは現時点では判断できません。12月の数値をみたいところです。
なお、先行指数に先行する指標としてしばしば一致/遅行比率(=一致指数÷遅行比率)が活用されます。下記はそのチャートです。
10月の一致/遅行比率は0.896で前月比+0.15%、2カ月振りの上昇です。3カ月平均でみても上向いています。2008年の初春頃からは景気が上向くことを示唆しています。
なお、景気と株価は連動しますから、一致/遅行比率は株価の先行指数としても機能すると考えられます。
下記は一致/遅行比率とTOPIXの前年同月比伸び率を合わせたチャートです。一致/遅行比率の動きから判断すれば、株価は今後上昇する可能性が高いといえます。
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