米国株式のバリュエーション指標(2007年11月21日時点)
11月21日時点の株式のバリュエーション指標を確認しておきましょう。
まず、S&P500指数の週足チャートです(指数は週央値)。株価は天井をつけた可能性があります。
S&P500ベースのEPS(1株利益)とPER(株価収益率)のグラフです。EPSはいよいよ減少が明確になってきました。2008年半ばにかけて企業業績はさらに減少する可能性があります。なお、PERは11月21日時点で17.99倍となっています。
株式の配当利回り(S&P500ベース)は2.02%となっています。10年国債利回り(4.00%)との格差は2%を下回ってきました。
イールドスプレッド(=10年国債利回り-株式の益回り)は直近の安値を下回ってきました。11月21日時点ではマイナス1.56%です。債券と比べて株式の割安感が強まっています。
株価のバリュエーション指標をみる限り、米国の株価は割安感が強まってきました。ただし、今後、EPSが急低下すれば、状況は変わってきます(このリスクは常に頭に入れておくべきでしょう)。
現時点で、株価のバリュエーションだけをみて、株式の組み入れ比率を引き上げることはリスクが大きいとみています。他のテクニカル指標と併用して判断することが肝要です。
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- ポール R.クルーグマン, 高中 公男
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