11月13日時点のCME日経平均先物ポジション動向 …投機筋は売り越し継続
11月16日(金)東部時間午後3時30分(日本時間では、11月17日の早朝)に、11月13日時点でのCOTレポートが発表されました。
CMEに上場されている日経平均先物取引ついて、コマーシャルズ(実需筋)やノン・コマーシャルズ(CTAやヘッジファンドなどの投機筋)のポジション状況をみてみましょう。
コマーシャルズについては、11月13日時点では18,111枚の買い越しとなりました。前週に比べて買い越し枚数は957枚増加しています(4週間振りの増加)。
コマーシャルズは日本株に対して、まだ「強気」スタンスを維持しています。コマーシャルズの行動は中期的には相場に影響します。3カ月から半年先を見据えれば、株式相場は上昇する公算が強いといえます。
ノン・コマーシャルズについては11月13日時点では15,434枚の売り越しとなりました。前週に比べて売り越し枚数は896枚増加しています(3週間振りの増加)。売り越し枚数だけをみると3週間連続で減少しています。ヘッジファンドやCTAなどの投機筋は、引き続き利益確定の行動をとっているようです。
投機筋の日本株に対するスタンスは「弱気」継続です。
次に、COTレポートのデータを使って、ラリー・ウィリアムズが考案したCOTインデックスと、それを応用して筆者が考案したNCOTインデックスをみてみましょう。
11月13日時点での日経平均先物取引のCOTインデックスのチャートは下記の通りです。
COTインデックスは74.62%となりました(4週間振りに上昇)。
一方で、下記はNCOTインデックス(ノン・コマーシャルズ指数)のチャートです。これは、ノン・コマーシャルズの行動をみるためにCOTインデックスと同様の計算式で、筆者が計算したものです。
11月13日時点のNCOTインデックスは25.43%となりました(3週間振りに低下)。
下記は、財務省が発表している対外及び対内証券売買契約等の状況(週次・指定報告機関ベース)のうち、非居住者による株式の取得・処分をまとめたチャートです。
直近のデータは11月9日に終わる週まで発表されています。外国人による株式取得は3,922億円の売り越しに変わりました。3週間振りの売り越しです。
外国人投資家の日本株に対するスタンスは判断が微妙です。まだ「中立」継続と判断します。
下記は非居住者による債券(中長期債および短期債券)の取得・処分をまとめたチャートです。11月9日に終わる週は2兆539億円の買い越しとなりました。45週間連続の買い越しで、買い越し金額派大幅に増加しています。投機資金は「質への逃避」で債券市場に流入しています。
下記は、東京証券取引所が発表している三市場の投資部門別売買状況のデータです(11月9日に終わる週まで)。三市場の投資部門別売買金額をみると、2,817億円の売り越しとなりました。3週間振りの売り越しです。
一方で、下記はジャスダック市場における外国人投資家の差引きの売買金額を示したチャートです。11月9日に終わる週は38.3億円の売り越しとなりました。4週間振りの売り越しです。
下記は日経ジャスダック平均のチャートです。年初来安値を更新中です。
東証マザーズ市場については、47億円の売り越しに変わりました。7週間振りの売り越しです。
下記は東証マザーズ指数のチャートです。やや反発しました。
下記は、寄り付きの外資系証券の売買状況です。11月1日から12営業日連続で売り越しています。
下記は日経平均の週ベースの一目均衡表です。年初来安値を更新し、11月16日の終値は、雲の下限に位置しています。15,000円を維持できるかどうかが当面のポイントです。
下記は日ベースの一目均衡表です。下落トレンドが続いています。
なお、11月16日のシカゴ日経平均先物(12月限)の終値は15,190円となっています(大証の終値は15,190円)。
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