10月30日時点のCME日経平均先物ポジション動向… 投機筋による売り越し枚数はやや減少!
11月2日(金)東部時間午後3時30分(日本時間では、11月3日の早朝)に、10月30日時点でのCOTレポートが発表されました。
CMEに上場されている日経平均先物取引ついて、コマーシャルズ(実需筋)やノン・コマーシャルズ(CTAやヘッジファンドなどの投機筋)のポジション状況をみてみましょう。
コマーシャルズについては、10月30日時点では20,078枚の買い越しとなりました。前週に比べて買い越し枚数は3,427枚減少しています(2週間連続の減少)。
コマーシャルズは日本株に対して「強気」スタンスを維持しています。コマーシャルズの行動は中期的には相場に影響します。3カ月から半年先を見据えれば、株式相場は上昇する公算が強いといえます。
ノン・コマーシャルズについては10月30日時点では17,127枚の売り越しとなりました。前週に比べて売り越し枚数は3,643枚減少しています(3週間振りの減少)。売り越し枚数だけをみると5週間振りに減少しています。ヘッジファンドやCTAなどの投機筋は、日本株に対する「弱気」スタンスをまだ維持しています。
次に、COTレポートのデータを使って、ラリー・ウィリアムズが考案したCOTインデックスと、それを応用して筆者が考案したNCOTインデックスをみてみましょう。
10月30日時点での日経平均先物取引のCOTインデックスのチャートは下記の通りです。
COTインデックスは79.34%となりました(2週間連続の低下)。
一方で、下記はNCOTインデックス(ノン・コマーシャルズ指数)のチャートです。これは、ノン・コマーシャルズの行動をみるためにCOTインデックスと同様の計算式で、筆者が計算したものです。
10月30日時点のNCOTインデックスは20.34%となりました(3週間振りの上昇)。
下記は、財務省が発表している対外及び対内証券売買契約等の状況(週次・指定報告機関ベース)のうち、非居住者による株式の取得・処分をまとめたチャートです。
直近のデータは10月26日に終わる週まで発表されています。外国人による株式取得は457億円の買い越しに変わりました。2週間振りの買い越しです。
外国人投資家の日本株に対するスタンスは「中立」です。
下記は非居住者による債券(中長期債および短期債券)の取得・処分をまとめたチャートです。10月26日に終わる週は6,810億円の買い越しとなりました。3週間連続の買い越しです。投機資金が債券市場に流入しています。
下記は、東京証券取引所が発表している三市場の投資部門別売買状況のデータです(10月26日に終わる週まで)。三市場の投資部門別売買金額をみると、563億円の買い越しに変わっています。2週間振りの買い越しです。
一方で、下記はジャスダック市場における外国人投資家の差引きの売買金額を示したチャートです。10月26日に終わる週は18億円の買い越しとなりました。2週間連続の買い越しです。
下記は日経ジャスダック平均のチャートです。弱含み保合いとなっています。
東証マザーズ市場については、64億円の買い越しとなりました。5週間連続の買い越しです。外国人投資家は引き続きマザーズ銘柄を買っています。
下記は東証マザーズ指数のチャートです。上昇トレンドが継続しています。
下記は、寄り付きの外資系証券の売買状況です。10月29日~11月2日までの5営業日では580万株売り越しています。
下記は日経平均の週ベースの一目均衡表です。11月2日の終値は、雲の中に位置しています。また終値は転換線をわずかに下回っています。
下記は日ベースの一目均衡表です。終値は雲の中に位置しています。また、転換線を下回っています。
なお、11月2日のシカゴ日経平均先物(12月限)の終値は16,510円となっています(大証の終値は16,490円)。
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- ラリー ウィリアムズ, Larry Williams, 清水 昭男, 長尾 慎太郎, 柳谷 雅之
- ラリー・ウィリアムズの短期売買法―投資で生き残るための普遍の真理 (ウィザードブックシリーズ)