日本株の出遅れが著しい!
世界的に株式市場が乱高下しています。ここでMSCI(モルガンスタンレー・キャピタルインターナショナル社)が算出する株価指数(米ドルベース)をみながら、主要国の株価推移を確認しておきましょう。
まずMSCIの世界株価指数のチャートです。直近の高値(終値ベース)は10月12日の1675.29ポイント、昨日(24日)の終値は1627.85ポイントで、わずか2.8%の下落です。
次は、米国株のチャートです。高値は10月9日の1480.24ポイント、24日の終値は1435.02ポイント(高値比-3.1%)となっています。
下記はヨーロッパ15指数のチャートです。直近の高値は10月11日の2210.079ポイント、24日の終値は2137.658ポイント(高値比-3.3%)です。
下記は新興国指数のチャートです。直近の高値は10月15日の1290.46ポイント、24日の終値は1265.33ポイントで、高値からの下落率はわずか1.9%です。上昇基調を維持しています。
次にBRICSの株価指数をみてみましょう。直近の高値は10月15日の445.390ポイント、24の終値は439.227ポイントで、高値から1.4%の下落となっています。上昇トレンドが継続しています。
一方で、日本株指数(米ドルベース)をみてみましょう。他の株価指数とは形状が異なっています。
10月24日の終値は3144.981ポイント、直近の高値は10月11日の3276.116ポイントですが、実は2007年の高値は2月27日につけた3471.577ポイントとなっています。10月24日の終値は年初高値と比べれば9.4%の下落となっています。
日本株が他の市場と比べて大幅に出遅れていることがわかります。
参考までに、日本株を除いた世界株価指数のチャートをみてみましょう。直近の高値は10月12日の1657.62ポイント、24日の終値は1611,27ポイントです。高値からの下落率はわずか2.8%です。
下記は、MSCIの日本株と米国株を比較したチャートです。
日本株の出遅れが修正されるためには、①企業業績がコンセンサスを大幅に上回る結果となるか、あるいは逆に、②米国株や新興国株式が総崩れとなって、相対的に出遅れている日本市場に資金が還流することを期待するか、のどちらかだと思われます。
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