8月28日時点のCME日経平均先物ポジション動向 | COTレポートの読み方

8月28日時点のCME日経平均先物ポジション動向

 8月31日(金)東部時間午後3時30分(日本時間では、9月1日の早朝)に、8月28日時点でのCOTレポートが発表されました。


 CMEに上場されている日経平均先物取引ついて、コマーシャルズ(実需筋)やノン・コマーシャルズ(CTAやヘッジファンドなどの投機筋)のポジション状況をみてみましょう。


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 コマーシャルズについては、8月28日時点では9,299枚の買い越しとなりました。前週に比べて買い越し枚数は1,947枚増加しています(5週間連続の増加)。


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 ノン・コマーシャルズについては8月28日時点では10,232枚の売り越しとなりました。前週に比べて売り越し枚数は4,015枚増加しています。売り越し枚数は5週間連続で増加し、しかも統計開始以来の最大値を更新しています。


 ヘッジファンドやCTAなどの投機筋は、日本株に対する弱気スタンスを強めていることがわかります。


 次に、COTレポートのデータを使って、ラリー・ウィリアムズが考案したCOTインデックスと、それを応用して筆者が考案したNCOTインデックスをみてみましょう。


 8月28日時点での日経平均先物取引のCOTインデックスのチャートは下記の通りです。


  COTインデックスは86.59%となりました(5週間連続で上昇)。


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 一方で、下記はNCOTインデックス(ノン・コマーシャルズ指数)のチャートです。これは、ノン・コマーシャルズの行動をみるためにCOTインデックスと同様の計算式で、筆者が計算したものです。


  8月28日時点のNCOTインデックスは0.00%となりました(5週間連続で低下)。


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 下記は、財務省が発表している対外及び対内証券売買契約等の状況(週次・指定報告機関ベース)のうち、非居住者による株式の取得・処分をまとめたチャートです。


  直近のデータは8月24日に終わる週まで発表されています。外国人による株式取得は前週の8,181億円の売り越しから、130億円の買い越しにかわっています。5週間振りの買い越しです。外国人投資家の売りが峠を越したことがうかがえます。


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 下記は非居住者による債券(中長期債および短期債券)の取得・処分をまとめたチャートです。8月24日に終わる週は2,689億円の買い越しとなっています。4週間連続の買い越しですが、金額は大幅に減少しました。


  外国人投資家による、「株式売り・債券買い」の行動が一服したことがわかります。
 
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 下記は、東京証券取引所が発表している三市場の投資部門別売買状況のデータです(8月24日に終わる週まで)。三市場の投資部門別売買金額をみると、前週の7,519億円の売り越しから、111億円の買い越しに転じました。5週間振りの買い越しです。


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 一方で、下記はジャスダック市場における外国人投資家の差引きの売買金額を示したチャートです。3週間連続で買い越しています。


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同様に、東証マザーズ市場についても5週間連続で買い越しています。


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 下記は、寄り付きの外資系証券の売買状況です。8月31日は13営業日振りに買い越しています。


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 下記は日経平均の週ベースの一目均衡表です。8月30日の終値は上値抵抗帯である雲の中に入っています。早急に、雲の上限を上回るかどうかがポイントです。


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 下記は日ベースの一目均衡表です。短期の下落トレンドが継続しています。8月31日の終値は基準線を上回ってきました。


 なお、8月31日のシカゴ日経平均先物の終値は16,585円です(大証の終値は16,600円)。


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ラリー・ウィリアムズ, 長尾 慎太郎, 増沢 和美, 吉田 真一, 山中 和彦
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