株価のバリュエーション指標は大幅改善!
8月17日の米国株式市場は急反発し、他の先進諸国の株価も大きく上昇しています。ただし、MSCI(モルガンスタンレー・キャピタルインターナショナル社)が算出する世界株価指数(米ドルベース)をみると、今年7月19日の高値(1654.91ポイント)に比べると、9.5%の下落となっています。
一方で、新興国の株価指数をみると、7月23日の高値(1163.13ポイント)からの下落率は17.6%となっています。
こうした中で、日本の株価をみてみましょう。下記はMSCI社が算出している米国と日本の株価指数です。
両国の株価指数の比率(=米国÷日本)をみれば、高値圏に入っており、日本が相対的に出遅れていることを示しています。
さて、ここで8月17日時点での日本の株価のバリュエーション指標を確認しておきましょう。
下記は、TOPIXベースの予想EPSの推移です。上昇基調が続いています。
この結果、予想PERが低下し、TOPIXベースの予想PERは8月17日時点で16.61倍まで低下しています。
予想PERの低下により、株価のバリュエーション指標のひとつであるイールドスプレッド(=10年国債利回り-株式の益回り)は-4.40%となり、債券と比べて株価が割安であることを示唆しています。
TOPIXベースの予想配当利回り(加重平均)は1.50%まで上昇しています。
株価純資産倍率(PBR)は1.61倍まで低下しています。
TOPIX全体でみれば、株価のバリュエーション指標は、日本株が割安であることを示唆しています。
バリュー投資家にとっては、絶好の仕込み局面が到来したといえるでしょう。
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