6月26日時点のCME日経平均先物ポジション動向
6月29日(金)東部時間午後3時30分(日本時間では、6月30日の早朝)に、6月26日時点でのCOTレポートが発表されました。
CMEに上場されている日経平均先物取引ついて、コマーシャルズ(実需筋)やノン・コマーシャルズ(CTAやヘッジファンドなどの投機筋)のポジション状況をみてみましょう。
コマーシャルズについては、6月26日時点では4,080枚の買い越しとなりました。前週に比べて買い越し枚数は1,347枚減少しています(4週間連続で減少)。コマーシャルズによる買い越しは減少基調が続いています。
ノン・コマーシャルズについては6月26日時点では2,230枚の売り越しとなりました。前週に比べて売り越し枚数は2,606枚減少しています(売り越し枚数は3週間振りに減少)。
ヘッジファンドやCTAなどの投機筋は、日本株に対して弱気スタンスを継続していますが、買いポジションが増えており、スタンスに変化がみられます。
次に、COTレポートのデータを使って、ラリー・ウィリアムズが考案したCOTインデックスと、それを応用して筆者が考案したNCOTインデックスをみてみましょう。
6月26日時点での日経平均先物取引のCOTインデックスのチャートは下記の通りです。
COTインデックスは66.36%となりました(4週間連続で低下)。低下基調が続いています。
一方で、下記はNCOTインデックス(ノン・コマーシャルズ指数)のチャートです。これは、ノン・コマーシャルズの行動をみるためにCOTインデックスと同様の計算式で、筆者が計算したものです。
6月26日時点のNCOTインデックスは37.88%で、上昇しました。
下記は、財務省が発表している対外及び対内証券売買契約等の状況(週次・指定報告機関ベース)のうち、非居住者による株式の取得・処分をまとめたチャートです。
直近のデータは6月22日に終わる週まで発表されています。外国人による株式取得は4,404億円の売り越しとなっています。8週間振りの売り越しで、外国人投資家のスタンスに変わった可能性があります。
ただし、6月22日に終わる週の数値に関しては、東京証券取引所が発表している三市場の投資部門別売買状況のデータと大きな差異が出ています。三市場の投資部門別売買金額をみると、6月22日は2,372億円の買い越しとなっています。
これをどう解釈するか難しいところですが、とりあえず次回の数値で確認したいところです。
下記は、寄り付きの外資系証券の売買状況です。6月28日まで6営業日連続で売り越しでしたが、29日は買い越しに変わっています。
下記は日経平均の週ベースと日ベースの一目均衡表です。中期での上昇トレンドが続いています。
2月26日につけたザラバ高値(18,300.39円)を上回るかどうかが今週の注目点です。
なお、6月29日のシカゴ日経平均先物の終値は、18,180円と大証の終値(18,160円)より20円高くなっています。
今回は、MSCI(モルガンスタンレー・キャピタルインターナショナル社)が算出した米ドル建ての米国株と日本株のチャートを掲載しましょう。
ドル高円安基調が続いているため、米ドル経ての日本株指数をみると、日経平均やTOPIXと比べて上昇していないことがわかります。
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- ラリー ウィリアムズ, Larry Williams, 清水 昭男, 長尾 慎太郎, 柳谷 雅之
- ラリー・ウィリアムズの短期売買法―投資で生き残るための普遍の真理