米ドルが復活?
ここでIMM通貨先物取引・主要通貨の投機筋のポジション動向を確認しておきましょう。
まず円先物取引です。6月12日時点では、127,562枚の円売り越しとなっています。円キャリー取引(円を売って高金利通貨を買う取引)が増えていることが推測されます。
次はユーロ先物取引です。50,638枚のユーロ買い越しですが、ユーロの買い越し枚数が急減しています。ユーロは対米ドルでさらに売られる可能性があります。
英ポンド先物取引です。6月12日時点では39,417枚の英ポンド買い越しとなっています。英ポンドの買い越し枚数は急減しています。英ポンドも対米ドルで売られる可能性があります。
次はスイスフラン先物取引です。79,181枚のスイスフラン売り越しとなり、売り越し枚数は過去最高値を更新しました。なお、スイス中央銀行は、14日に政策金利を0.25%引き上げ、年2.5%にしましたが、今回の数値には利上げが反映されていません。
カナダドル先物取引です。6月12日時点では、62,005枚のカナダドル買い越しとなりました。買い越し枚数は過去最高値を更新しています。米ドルはカナダドルに対しては弱くなっています。
次は豪ドル先物取引です。73,347枚の豪ドル買い越しで、高水準を維持しています。米ドルはカナダドルに対しても弱い状況が続いています。
主要6通貨(ユーロ、円、英ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル)の対米ドルでのポジションを合計したものが下記のグラフです(1単位当たりの金額を調整せずに合計していますので若干注意が必要です)。
さて、6月12日時点の合計は、18,691枚の米ドル売り越しとなっています。売り越し枚数は減少基調となっており、ヘッジファンドなどの投機筋が、米ドルの売り越しから、買い越しへ、スタンスを変化させつつあることがわかります。
米ドルの上昇トレンドが続くということは、米国内への資金還流が続いている、ということを意味しています。米国株式の上昇は息が長いかもしれません。
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