5月8日時点のCME日経平均先物ポジション動向 | COTレポートの読み方

5月8日時点のCME日経平均先物ポジション動向

 5月11日(金)東部時間午後3時30分(日本時間では、5月12日の早朝)に、5月8日時点でのCOTレポートが発表されました。CMEに上場されている日経平均先物取引ついて、コマーシャルズ(実需筋)やノン・コマーシャルズ(CTAやヘッジファンドなどの投機筋)のポジション状況をみてみましょう。


0514シカゴ先物・コマーシャルズ


 コマーシャルズについては、5月8日時点では11,702枚の買い越しとなりました。前週に比べて買い越し枚数は1,050枚減少していますが、実需筋は日本株に対する買い越しスタンスを維持しています。

 これは中期的には、日本株にとって強気材料となります。


0514シカゴ先物・ノンコマーシャルズ


 ノン・コマーシャルズについては5月8日時点では8,994枚の売り越しとなりました。前週に比べて売り越し枚数は317枚減少しています(売り越し枚数は4週間振りに減少)が、依然として高水準です。ヘッジファンドやCTA等の投機筋は、日本株に対して売りスタンスを維持しています。


 次に、COTレポートのデータを使って、ラリー・ウィリアムズが考案したCOTインデックスと、それを応用して筆者が考案したNCOTインデックスをみてみましょう。


5月8日時点での日経平均先物取引のCOTインデックスのチャートは下記の通りです。

COTインデックスは95.92%となりました(4週間振りに100%割れ)。コマーシャルズは日本株の買いスタンスを維持しています。


0514COTインデックス


 一方で、下記はNCOTインデックス(ノン・コマーシャルズ指数)のチャートです。これは、ノン・コマーシャルズの行動をみるためにCOTインデックスと同様の計算式で、筆者が計算したものです。

 

5月8日時点のNCOTインデックスは1.70%で、前週(0.0%)比べてやや上昇しました。ノン・コマーシャルズは日本株に対して売りスタンスを維持しています。

 

0514NCOTインデックス


 下記は、財務省が発表している対外及び対内証券売買契約等の状況(週次・指定報告機関ベース)のうち、非居住者による株式の取得・処分をまとめたチャートです。

 

直近のデータは5月2日に終わる週まで発表されています。外国人による株式取得は、4月27日に終わる週が3,797億円の売り越し、5月2日に終わる週が365億円の買い越しとなっています。

 

0514対内証券売買契約等の状況


 下記は、寄り付きの外資系証券の売買状況です。5月10日は670万株の買い越しとなりましたが、翌11日は1990万株の売り越しとなっています。


0514外国人動向


 下記は日経平均の週ベースの一目均衡表です。終値は転換線をやや上回る位置にあります。


0514日経平均一目均衡表

 5月11日のシカゴ日経平均先物の終値は、17,725円と大証の終値(17,540円)と比べて185円高となっています。週明けは反発で始まりますが、終値でそれを維持できるかどうかが注目されます。

 ヘッジファンドによる売りポジションが積み上がっているため、引き続き、投機筋による買戻し(ショートカバー)が行われるかどうかがポイントです。


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