5月1日時点のCME日経平均先物ポジション動向 | COTレポートの読み方

5月1日時点のCME日経平均先物ポジション動向

 5月4日(金)東部時間午後3時30分(日本時間では、5月5日の早朝)に、5月1日時点でのCOTレポートが発表されました。CMEに上場されている日経平均先物取引ついて、コマーシャルズ(実需筋)やノン・コマーシャルズ(CTAやヘッジファンドなどの投機筋)のポジション状況をみてみましょう。


0507シカゴ先物・ノンコマーシャルズ

 コマーシャルズについては、5月1日時点では12,752枚の買い越しとなりました。前週に比べて買い越し枚数は510枚増加しています。実需筋は日本株に対する買い越しスタンスを強めています。
 これは中期的には、日本株にとって強気材料となります。

0507シカゴ先物・コマーシャルズ

 ノン・コマーシャルズについては5月1日時点では9,311枚の売り越しとなり、過去最高値を更新しました。前週に比べて売り越し枚数は698枚増加しています(売り越し枚数は3週間連続で増加)。ヘッジファンドやCTA等の投機筋は、日本株に対して売りスタンスを強めています。

 次に、COTレポートのデータを使って、ラリー・ウィリアムズが考案したCOTインデックスと、それを応用して筆者が考案したNCOTインデックスをみてみましょう。

 5月1日時点での日経平均先物取引のCOTインデックスのチャートは下記の通りです。 COTインデックスは100%となりました(3週間連続の100%)。コマーシャルズが日本株の買いスタンスを維持していることを示しています。


0507COTインデックス

 一方で、下記はNCOTインデックス(ノン・コマーシャルズ指数)のチャートです。これは、ノン・コマーシャルズの行動をみるためにCOTインデックスと同様の計算式で、筆者が計算したものです。

 5月1日時点のNCOTインデックスは0%で、前週(3.00%)に比べて低下しています。ノン・コマーシャルズが日本株に対して売りスタンスを維持していることを示しています。


0507NCOTインデックス

 下記は、財務省が発表している対外及び対内証券売買契約等の状況(週次・指定報告機関ベース)のうち、非居住者による株式の取得・処分をまとめたチャートです。

 直近のデータは4月20日に終わる週までですが、外国人による株式取得は差引きで4,534億円の買い越しとなっています(5週間連続の買い越しです)。

 ただし、この統計には実質的に日本の投資家(オフショアに籍があるファンドなど)も含まれていますから、読み方には注意する必要があります。


0507対内証券売買契約等の状況

 下記は、寄り付きの外資系証券の売買状況です。4月17日から27日まで9営業日連続で売り越しが続いた後、5月1日は1000万株の買い越し、翌2日は1040万株の売り越しとなっています。

0507外国人動向


 下記は日経平均の週ベースの一目均衡表です。転換線をはさんで保合い相場が続いていますが、直近では転換線がやや低下しています。



0507日経平均一目均衡表

 週明け5月7日の日本の株式市場は、欧米各国の株価上昇の影響を受けて、とりあえず大幅な反発で始まるとみられます。その後、日本株が保合い相場を離脱して上昇トレンドに入るかどうかは、①足元の決算発表が予想を上回ること、そして、②それを踏まえて外国人投資家が日本株に対して強気スタンスをとるかどうかにかかっている、といえそうです。


 ヘッジファンドによる売りポジションが積み上がっているため、目先は、投機筋による買戻し(ショートカバー)が行われるかどうかがポイントといえそうです。

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