ドルインデックスの下落が続く! | COTレポートの読み方

ドルインデックスの下落が続く!

ドル円相場に波及するか?


(4月17日時点のIMM通貨先物ポジション動向)


筆者は、米ドルの強弱をみる上で、ドルインデックスの動きに注目しています。


外国為替相場は2つの通貨の相対価格を示すものです。このため、米ドルの強弱をみる場合、ドル円レートの推移をみるだけでは米ドルの本当の強弱はわかりません。ユーロドルレートやその他の通貨ペアを比較して総合的に判断する必要があります。


一般的には、FRBが算出している3種類の実質実効為替レートや、日本経済新聞の朝刊に掲載されている日経通貨インデックスのドルなどをみる投資家が多いと思われます。しかし、筆者は実効為替レートではありませんが、毎日算出されていること、またインデックス自体の先物取引が存在する、という理由で、ドルインデックスを利用しています。


ドルインデックスは主要な6通貨ペア(ユーロドルレート、ドル円レート、ポンドドルレート、ドル・カナダドルレート、ドル・スェーデンクローネ、ドル・スイスフランレート)を加重平均した数値で、そのウェイトは下記の通りです。


ユーロドルレート 57.6%
ドル円レート 13.6%
ポンドドルレート 11.9%
ドル・カナダドルレート 9.1%
ドル・スェーデンクローネ 4.2%
ドル・スイスフランレート 3.6%


ドルインデックスの数値(スポット及び先物取引)の4本値はNYBOTの下記のURLで閲覧することができます。

http://www.nybot.com/


なお、ドルインデックスの先物取引はNYBOT(ニューヨーク商品取引所)に上場されており、実際に取引することが可能です(売買枚数も相当あります)。


4月20日時点のドルインデックスは81.64ポイントで、前週末(4月13日)の終値(82.12ポイント)に比べて0.48ポイント下落しています。ユーロドルレートが過去最高値を更新するなど、このところ米ドルは円を除く主要通貨に対して売られています。


ドルインデックスは2005年3月の水準まで低下しています。この当時のドル円レートは1ドル=104円台です。米ドルが売られているのですが、円が主要通貨に対してそれ以上に売られているため、ドル円相場は当時に比べて14円の円安となっています。


しかし、このままさらに米ドルが売られれば、対円でもドル安(円高)になる可能性があります。ドル円相場の動きには今後、警戒が必要といえそうです。



ドルインデックス一目均衡表




ドルインテックス

 

主要6通貨(ユーロ、円、英ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル)の対米ドルでのポジションを合計したものが下記のグラフです。


4月17日時点では135,872枚の売り越しとなっています(売り越し枚数は2週間連続で増加)。ヘッジファンドやCTAなどの投機筋は、米ドルの売りスタンスを維持しています。

 


IMM通貨先物

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