ある保険業さんでは、交通費削減のためにバス停3つまでなら歩くように社員に指示していました。
私も何人かの営業さんのルートに同行し、歩いてみたのですが、これには大きな問題点が潜んでいました。
私が歩いた地域のバス停間の平均距離は200m。
3つ分だと600mを歩く計算になります。
不動産業界の定義だと600m÷80m/分=7.5分の時間を要することになりますが、これはかなりの速さですから実際には10分程度とみるべきでしょう。
ただ、これはフラットな地域の場合で、ある年配の方の受け持ち地域には当てはまりません。
非常にアップダウンの大きい、かつ多い地域のご担当で、2倍近い時間と3倍近い体力を使わなければ回りきれませんでした。
それでもその方は「会社の命令ですから」と、汗だくになって回っておられました。
日報を書くために会社に戻るのですが、少し休まないと体力が回復しません。
念のために上司の方にお話をうかがうと、案の定「契約件数が落ちている」とのこと。
これは人的資源を、有効なコスト・リソースとして定義・分析していない証拠です。
その方の平均給与は月44万、時給に換算すると約2,100円。
バスに乗ったと仮定すると往復で20分、金額にして340円ですが、この交通費を削減するためにその方のもう20分の時間とここにかかる約700円の給与コストをムダに使っていることになります。
さらに体力の回復を図るための休憩時間などを加えると、単純給与コストはさらにかかりますし、またその方のスキルも時間効率も削り取っていることになるのです。
本当に業績向上や業務効率化を図るのであれば、まず「人的資源というコスト」をムダにしていないか、徹底的に洗い直す必要があるのです。