以下の仮定法の文、正しいでしょうか？間違っているとすればどの箇所でしょう？
1) If I didn't need to learn English, I would have stopped a long time ago.
2) If you had saved up like me, you would be able to afford it.
この文章、実は息子のタームブレーク中の自習用に近くの図書館で借りたMacmillanの「New Inside Out」という教材に載っていたものです。
で、正解ですが「どちらの文も間違ってません」。ちょっとした引っ掛け問題でした。
(๑≧౪≦)てへぺろ
なぜこの文を取り上げたかというと、日本の高校で仮定法を習う時ってこの「主節と従属節の時制に元々ズレがある」パターンって出てこないんじゃないかな？とふと思ったんです。授業に限らず参考書でもあまり見た記憶がありません。
僕個人の推測ですが、これは文法の切り口が「仮定法過去（現在の事実に反する仮定や願望）」と「仮定法過去完了（過去の事実に反する仮定や願望）」の二つしかないからじゃないか？と思います。主節と従属節の時制が一致していることを前提とした括りなのでここに収まらない例外は受験では出題されないかもしれませんが、残念ながら実際に使われている英語は日本の学校で習う文法範囲なんか無視して容赦なく入り組んだ文や新しく作られた造語が飛び交います。
まず1)の方ですが、仮定法を使わない形で書いてみます。
1') If I don't need to learn English, I stopped a long time ago.（もし英語を勉強する必要がなければ、とっくの昔にやめてただろう。）
うわー、仮定法をあえて使わず書くとすっげー気持ち悪いんですけど。。。もし同じように感じた人がいればそれは英語が肌感覚で身についている証拠だと思います。まーここは説明用に文を無理矢理変えているだけなのでその点は一旦置いておいて。
まず従属節『英語を勉強する必要がなければ』という部分は現在のことです。そしてその条件を受けて『（英語を勉強するのを）やめる』のは、「a long time ago」という副詞からもわかるように過去のことです。
なので、仮定法にする時はIfが付いている従属節の方を現在形⇒過去形に、主節の方に助動詞のwould + haveを付けます（この部分って過去完了形とは違いますよね？何て言うのかご存知の方いらっしゃれば教えてください。）。
次に2)の方。同じように仮定法を使わなければ
2') If you saved up like me, you are able to afford it.（もし君が僕のように節約してたらそれを買うことができるのにね。）
今度は逆に『君が僕のように節約してたら』というのは過去の話ですが、『それを買うことができる』のは現在になっています。
ということで、こちらはIfが付いている従属節の方を過去形⇒過去完了形に、主節の方に助動詞のwouldを付けます。どちらもwouldの部分は文脈によってcouldになったりshouldになったりしますが、「従属節・主節それぞれで時制を一つ落とす」というのが正しいルールになります。「仮定法過去完了はhad + 過去分詞 & would have + 過去分詞」ってセットで覚えちゃってる人、今すぐ頭をリセットしましょう。
最後にもう一つ、仮定法を考える時は上記のように時制だけを戻して考えるよりも、実際の意味、つまり「事実に反している」のだから「じゃー事実はなんなのか？」というのを2つの文に分けて書くと仮定法の持つニュアンスが理解しやすくなります。今日の二つの文はそれぞれ以下のように分けることができます。
1'') I need to learn English. That's why I did not stop a long time ago.
2'') You did not save up like me. So you are not able to afford it.
こうすれば普段から結構耳にしたり使ったりする言い回しに聞こえませんか？逆に言うとそういう言い回しは仮定法を使って言い替えることができるということでもあります。
超久々の更新なのにこんな小難しいトピックですみません。m(_ _)m
悲しいことに今仕事で新しいことを覚えるのにテンパってるので、落ち着いたらゆっくり近況報告でも書きますね。
