なぜか覚えにくい形容詞 | Black Swan - 国際人養成所

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以前「Yのマジック、ひっぱりまくり(笑」という記事で「名詞に-yを付けるとカジュアルな形容詞が作れる」という例をいくつか書きました。chatty(おしゃべりな)とかChristmassy(クリスマスっぽい)とかだと初めて聞いても直感的にわかるんですが、なぜか同じように名詞+yで作られた形容詞で何度聞いても覚えられないものがいくつかありました。

なんとか覚えられた今振り返ってみてそれらの形容詞に共通するものが見えてきた気がするので、同じように感じてる方と共有しておきたいと思います。

まず共通点ですが、今日取り上げる形容詞は「元の名詞から形容詞の意味が想像できない」ものが多いです。例えば、日本語でも英語でも狐は「ずる賢い」というイメージがあるので、「foxy」と聞くと「ずる賢いって形容詞かな?」と予想するのは比較的簡単です。でも、羊は元々日本に生息していない動物だったため「sheepish」と聞いても「内気な、恥ずかしそうな」という意味を連想できる日本人は少ないでしょう。
実はここを克服するのはメチャクチャ大変で、英語という言葉だけでなく英語圏の国の文化そのものを知っていなければなりません。西洋のおとぎ話や童話の中で羊は「内気で恥ずかしがり屋なキャラ」として描かれてることが多いので、「sheep」という名詞にはそのキャラが定着しているんです。もちろん文化背景を全て知ることは不可能ですが、海外で書かれたものを読む際には単語の意味だけを追うのではなくもっと奥や裏に広がりがあるんだ、ということを常に意識し、その部分に興味を持つだけでも全然違ってくると思います。
また、英語もラテン語やゲルマン語に起源があるので、語源を辿っていっても「なんじゃらほい?」と理解不能なものもあります。そんな時は自分でしっくり来るストーリーを作っちゃうのも手ですね。
いずれの場合も、言語を習得するのって半分は記憶力で、半分は想像力だと考えていただいてもいいと断言できます。

あと、覚えにくいもう一つの理由に「単語の定義が曖昧」というのがあると思います。ぴったりくる日本語がなかったり、場合によって様々な訳語が当てはまるけど実際はそれらを足して2で割った感じとか、なんともうまく説明できない意味のことが多いんです。
こういう単語は形容詞に限らずいくらでもありますが、覚えて使えるようにするために一番有効なのは「実際に使われている用例を見る」という方法です。単語だけだとイメージしにくい時も、文章やフレーズになれば情景を頭に浮かべられることってよくあると思います。近い日本語訳があるとイメージしやすいんですが、ない場合は日本語にこだわらない。訳語を覚えるのと意味を覚えるのは違うプロセスだ、という点を意識しましょう。

さて、前置きが長くなりましたが以上を前提として今日取り上げる4つの形容詞について
・元になる名詞の背景(いつものウンチクと余談の嵐)
・具体的な例文(口語、俗語が多いので多分に下ネタ)
を挙げながら説明していきましょう。

旗kinky
元になる名詞は「kink」ですが、名詞の方はかなりマイナーなのであまり「kinky」という形容詞を覚える助けにはなりませんね。。。元々は鎖や紐などの『ねじれ』を指します。ここから転じて『風変わりな性格』とか『奇妙な思い付き』という意味でも使われます。

この単語は例文を使って覚えるのが手っ取り早いですね。特に「kinky sex」でセットにしてしまうのが超オススメ!

My boyfriend and I have tried some kinky sex ideas and have enjoyed it.

『(性的に)異常な、倒錯した』という訳語もありますが、こういうのはもっと具体化すれば想像(妄想)が簡単になります。SMプレイコスプレ3Pオモチャの利用シチュエーションプレイ、などなど。これを頭に思い浮かべてもう一度例文を読んでみてください。ほら、もう完全に「kinky」のイメージが自分のものになってるでしょ?(笑

ちなみに、アイドルのキンキキッズは英語だと「Kinky Kids」にしか聞こえないので、そのまま海外進出したりするとかなりイタイことになります。きっと9割方の人にホモと間違われるでしょう。


旗cheeky
この単語は(僕だけかもしれませんが)なんとなく次に出てくる「cheesy」とスペルが似てて混同しそうになることも覚えにくくしていた一因かもしれません。
元の名詞はほっぺたの「cheek」ですが、ここから『ずうずうしい・生意気な』という意味を推測するのはちょっと大変そうです。「give ~ cheek」で『~に生意気な口をたたく』という熟語があるんですが、相手に向けて頬を突き出すようにすると上から目線でちょっとドヤ顔っぽくなりますよね?どうもそのあたりの雰囲気から来ているようです。

この単語きっとイギリス英語で比較的多く使われると思いますが、親が子供に

Don't be so cheeky!

と言う時は「Don't be so rude!」のような強い非難と異なり『まったくこの子ったら』という愛情すら感じられる時もあります。『生意気』という感じだと「saucy」や「sassy」という、これまたイメージしにくい形容詞と似た使い方なので一緒に覚えておきましょう。あ、下品ですが

Don't be a smart ass!

という言い方も近いかも。(笑


旗cheesy
名詞の「cheese」にあまり悪いイメージを持つ人は少ないと思いますが、形容詞の「cheesy」になると『チャラい、趣味の悪い、ありふれた』という否定的な意味が辞書には書かれています。語源を調べてみるとかなり複雑な歴史があるようですが、残念ながらcheesyのイメージを理解する助けになるようなものではありませんでした。
実は僕がこの単語の持つ感覚を掴んだのは自分なりの妄想によるところが大きかったんです。チーズって料理に入れるとなんとなく万人受けする味になったりしますが、安易といえば安易なやり方深みがある味ではないですよね?「cheesy」のイメージは正にそれで、実際の使われ方も馬鹿にするような否定的なニュアンスを持ちながら、でもみんな結構好きだよね?っていうちょっと憎めない雰囲気が混ざり合った感じなんです。

最近この微妙なニュアンスをとってもイメージしやすい用例に出くわしました。Youtubeで世界中を席捲したPSYの「Gangnam Style」はご存知ですよね?この曲のオフィシャルなキャッチフレーズが

Dress classy, dance cheesy

なんです。完全に「色物」なのでダンスのキレとかテクニックとかで売り出そうなんて最初っから狙ってなくて、キャッチーなリズムとなぜか見ててクセになるダンスで結局大成功を収めました。この少し自虐的なキャッチフレーズも一役買ったのかもしれませんね。


旗lousy
この形容詞は元の名詞は「louse(シラミ)」です。形容詞の方は発音が[la'uzi(ラウズィー)]なのに、名詞の方の発音は[la'us(ラウ)]と濁らないところが曲者です。
あと、シラミはL/R問題で「rice」と対比される「lice」がよく出てくるのでそちらを覚えている人の方が多いんじゃないでしょうか?実は「louse」は単数形、「lice」は複数形なんです。少し前の「dieについてひたすら書いてみた」という記事の最後に書いたdatum(dataの単数)とdie(diceの単数)と並んで単数形があまり知られてない名詞の一つです。

俗語っぽいので使う時はTPOを意識した方がいいですが、シラミの「気持ち悪い」というイメージを超えてありとあらゆるひどいものに使われます。

He turned out to be a lousy boss.

How should I tell him that he's lousy in bed?

terrible」を使える場所ではほぼ代わり使えると思っていいくらい使用頻度が高い単語です。


いかがでしたか?なんでこんなに長い記事になったのかよくわかりませんが、「ネイティブはこんな表現を使う!意味は~~!」っていうシンプルな記事よりもこういう脱線だらけの方が連想記憶が喚起されてより頭に残るかもしれませんよね?(←単にまとめが下手なだけ)

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