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彼女は笑顔でそう言って憎きアイツの背中を叩く。

「おわっ…杏かよ。びっくりさせんな」

東雲彰人は横を歩く彼女に歩幅を合わせる。
信じたくはないが、最近、あの2人付き合ってんのかな、って思うぐらい距離が近い。もともとユニットを組んでるからかもしれないが、同じユニットの青柳冬弥?という奴よりも近い気がする。

…まさか、そういう関係だったりして。
嫌な予感がする。
たまたま・・・・あの2人の後ろをついていくようにして校門を出た俺は、2人を尾けることにした。これは、ストーカーなどではなく、調査だ。頭の中で自分にそう言い聞かせながら会話が聞こえる程度の距離を保ちながらついていく。

「あ、杏。これやるよ」
「へ?これ、まさか…!!」
「ラムレーズンアイス。昨日行ったカフェ、持ち帰りもできたから買ってきた。食うか?」
「あったりまえじゃん!ね、すぐそこの公園で食べていい?」Vivid BAD SQUAD 小豆沢こはね コスプレ衣装
「ん」

キラキラと目を輝かせる彼女を見て、俺の心は浄化されるのと同時にアイツへの憎しみも湧いてきた。彼女のその顔を見るのは俺だけでいいのに。

俺がアイツに対して激しい嫉妬をしていると、彼らは近くの公園のベンチに座る。人通りは少なく、さっき通ってきたビビッドストリートと比べて大分静かになった。俺は物陰に隠れ、2人を観察する。

「……ん〜…美味しい〜…」

彼女は自分の好物であるラムレーズンアイスを口に含むと、一瞬で幸せそうな顔になった。それを面白そうに見つめる東雲彰人。

「ふ、幸せそうな顔しやがって」
「彰人もいる?」
「いる」
「即答じゃん!…はい、どーぞ!」
「…ん…うまっ」
「でしょー?」
「なんでお前が自慢気なんだよ」

……俺は今、何を見ているんだ?幻覚かと思って目をこするが、景色は何も変わらない。
白石さんがスプーンをアイツの顔の前まで持っていき、アイツがそれを頬張る。顔にこそ出さないものの、明らかに喜んでいる。そんなに甘いものが好きだったのか、アイツ。それとも白石さんとそんなことをしているのが嬉しいのか?

「ふふ、嬉しそうな顔しちゃって」
「うるせーな…」
「彰人だってさっき同じこと言ったくせに」
「…確かに」

二人で一つのラムレーズンアイスを美味しそうに食べるそれは、誰がどう見ても長続きしそうなカップル。でも、まだ大丈夫。所詮間接キス、まだ白石さんを奪うことはできる。Vivid BAD SQUAD 東雲彰人 コスプレ衣装