2001年10月にその子はやって来た | 本当の自分を生きるシンプル人間学®

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少し、悲しいお話です。


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今からおよそ11年前の2001年10月のある日の夕刻、我が家の庭にその子はやってきました。


黒くて小さな、よく跳ねるウサギでした。

どれくらい遊んでいたのでしょう。翌朝には姿は見えませんでした。

しかし、夕方になるとまたピョンピョン跳ねて庭にいました。

その翌日も日中はどこかに遊びに行き、夕方姿を現していました。


そんなことが3~4日続き、

「このままじゃ、その辺のねずみダンゴを食べて死んじゃうぞ」

と、心配した父が捕まえ、我が家で飼うことになりました。


当時の大きさは両手に載るほど。生まれて2~3か月程だったのかもしれません。

急いでゲージとエサを用意し、我が家での暮らしが始まりました。

秋から春へ私がお世話をしていましたが、ある時から私にアレルギーが発症。

目と鼻の痒み、そして喘息。

当初は、アレルギーともウサギが原因とも気づかずでしたが、思い当たるのはこの子だけ。

それからは、外の雨風が当たらない場所に移動し、お世話は父がするようになりました。


長い年月、父が世話をしていましたが、2010年父が病に倒れてからは再び私がお世話をすることになり、朝晩のエサと水やり&お掃除を2012年の12月31日まで。


大晦日、お掃除をしてあげている時に転んで体勢を立て直すまでに時間が掛かり、「もしかして、具合が悪いのかも」と気づき、ゆっくりと撫でてあげたのですが。


元日にエサを与えにゲージの風除けをめくったところ・・・・

倒れていました。


動転した私は「どうしよう、どうしよう」と家の中に戻りましたが、気持ちを落ち着けて再びゲージに。


近づいてようやく事実を把握。

「亡くなって・・・・いるんだ・・・・」

あまりの急展開に、ショックが大きく。


ウサギの専門家の方には「もう相当なお歳ですよ」とは言われていましたけど、調べてみたら人間では85歳ほど。

でも見た目は小さく、綺麗だから、そんなことが実感としては無くて。


また、種類を調べてみると、ハバナ種という毛並みの綺麗な珍しいウサギさんだったのでした。

確かに画像を見るとおんなじ。

目は黒く、耳はそれほど長くなく。

毛並みは老いても綺麗でした。


亡くなったことを思い出すと辛いせいなのか、この三が日は用事以外のほとんどは寝て過ごしていました。


亡骸について落ち着いて考えられるようになったのは3日ごろ。

世間のお正月休みと寒さで慌てることなく考えられたのは幸いなことでした。

市では、焼却場で焼けるけれど一般ごみと同じ扱いになるということで、それはあまりに切ない。

それなりの場所を探し、火葬してもらおう。その後はまた考えようと決心できたのは昨日のことでした。


そして、今日、荼毘にふしました。


今日は青空も広がり気持ちよいお天気で。

まるでこの日を待っていたかのようでした。


霊園さんからの感想

「11年も生きてきたウサギちゃんは初めて聞きました」

「綺麗で年老いたようには見えません」

「お骨、こんな小さくて11年も生きてきたのに、ぽろぽろと崩れることもなく、健康だったと思われます。

耳のカタチも残っていましたよ。

ただ、目が弱っていたかもしれません」


あー、健康だったのね。

お世話は悪くなかったんだね。

幸せだったんだね。


少し気持ちが楽になりました。


小さく綺麗な骨壺に収められたウサギちゃんは、午後3時に我が家に戻りました。


11年前、自ら選んで我が家にやって来たウサギちゃん。

しばらくおうちに置いたら、山に帰してあげよう。


我が家に来てくれてありがとう。

楽しい思い出をありがとう。

またいつか・・・ね。