憧れの赤岳 地蔵尾根を下る | blueのブログ

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名残惜しいが下山開始。赤岳頂上山荘へは短いながらも狭い雪稜。随分山頂近くに小屋を建てたものだ。再びロープ。下りはセカンドです。

一応カメラをヘルメットに付けて動画モードで出発したがすぐストップ。雪山で気温が低いときはバッテリーがダメなのだ。残念。

https://youtu.be/gyb3DlKOkA4

赤岳展望荘まで急降下。行者小屋からも良く見える有名な小屋。大学の山のサークルの先輩が奥さんを連れて来たそうだが、五右衛門風呂だったのか。小屋の東側の斜面で休憩。風も緩いのでわざわざアイゼンを外して小屋に入る必要もない。

ザックの滑落防止のためショルダーベルトにピッケルを通して雪に刺す。アンパンマンメロンパンとゼリーで腹ごしらえ。セブンのスティックメロンパンよりべた付かないのでインナーグローブのまま食べられるのが良い。快適なブランチです。M浦ガイドは昨日に続いて今日もお握り。茅野で買ったのかしら。そうか。ザックに入れて歩けば自然と冷蔵。次に食べる分だけザックの背面か胸に入れておけば良いのかな。パンをかじりながら振り仰ぐ山頂。

なんかあっけなく登れてしまったが、これから一番怖い地蔵尾根の下り。

今日は全身雪の上に出ているお地蔵さんにご挨拶してふたたびロープで下降開始。もうカメラをヘルメットにセットする余裕は無い。のっけから下の見えない取り付き。

同じくらいの斜度のルートは何度も経験あるが、コケたらどこまでも落ちていく両側が長く続いていて、ソロ、いやロープ無しだときっとビビる。しかし歩き始めてみると、ほど良く雪が締まりアイゼンがズレないのでしっかり確保できる。有名なスノーブリッジも無くなっており、鎖の下を潜る。その先の急斜面の方がきつい。しかしYoutubeで見たほど怖い斜面ではない。相変わらずアイゼンがばっちり効き、急なところは横向きで下りれば大丈夫。横向きは片効きになり易いが、今日の雪質だと真横向きに足を置いてもしっかりフラットフッティングにできる。アイゼンの歯の向きからして横荷重の方がグリップは強い。ロープのテンションも上手く張れるようになってきた。これ程、アイゼン・ピッケル・ロープで安心を感じたのは初めて。一箇所だけ後ろを向きたい岩場に来たが、ロープのテンションが掛かっていて左回りに向きを変えられない。こんな不自由なこともあるのか。仕方無く前向きで進む。岩の凹凸が豊富なのでピックを刺す場所は事欠かないので助かった。鷹取山とは石灰岩と火山岩の違いはあるが爪を刺す感触が同じ岩場だった。一度だけトップがズルッと行った瞬間、思わずロープを確保してしまったが、素人は自己確保すべきだったのだろうな。途中何度か、登る登山者を待つ。

見渡す空は徐々に雲が増えているようだ。一度、数人のパーティーとすれ違った時はトレースを外し左側の新雪を下るよう最後尾から指示。なるほど、今日の雪のコンディションならこんな手もあるのか。最後の難所と説明された急登を下る。半分出た階段では、後ろ向きで手摺を使わず下る練習。サードのアイゼンが私のヘルメットにコツン。いてっ!ヘルメットしてて良かった。

無事森林限界に入りロープを外してからはひたすらハイスピードで行者小屋まで下る。ソロだったらダラダラ下るだろうなぁ。稜線からの直降コースをあっと言う間に下り行者小屋に帰って来た。ご苦労さまでした。もう滑落する心配は無い。デポした荷物をザックに雑に収める。ポールを含めると3kg以上あったみたい。ずっしり重くなったザックを担いで出発。と、我がパーティーは西に向かって歩き始めた。「もしかして帰りは南沢下るの?」私がトイレに行っている間に決まったらしい。良かった。また別の道を歩ける。出だしはいい雰囲気の谷だが、その先はダラダラの下りが延々と続く。ナイスミドルと私は次第に足が雑になってくる。二人だけ岩にアイゼンを引っ掛ける音を響かせてしまう。とうとうナイスミドルはアイゼンがはずれた。我々の年齢になると下山する頃には足の踏ん張りが効かなくなり、無理して飛ばすと膝がガクっと折れてしまうので、逆に足を上手く置かなければならないのだが。次第に曇ってきた。

中ノ行者小屋跡辺りまで来たとき、行者小屋でゲイターを外してしまったナイスミドルはブーツに雪が入りそう。外すのちょっと早すぎました。

突然美濃戸山荘に到着。昼食。小屋の前の水を汲んで飲むと、冷たくて美味い。後ろから「飲めるの?」の声。「コップまで置いてあるのに飲めなかったら犯罪でしょ。」(笑)ここから先、靴汚すのもゴム減らすのも嫌で、林道の隅っこに残った雪の上をどんなに狭くても外さずに歩く。M浦ガイドは乗鞍のゲレンデ歩きと同様、超高速。元から脚力が違うのだよな。美濃戸口に到着。ガイドのお知り合い曰く、昨夜の赤岳鉱泉は150人が宿泊し夕食は3巡だったそうな。行者小屋大正解でした。ザックを整えていると、なんと中でポットの口が開いていた。おかげでそこから下にあった予備グローブやサコッシュがずぶ濡れ。財布の中のお札まで。こりゃいかん。茅野のショッピングセンターで再整理だな。ここからマイカーで浅草まで帰るどちらかと言うと青年とお別れ。渋滞気を付けて。駅までのクルマ組も楽しかった。昨年の乗鞍、あれほどの好天で登頂できる確率はとても低いそうだ。唐松は剱の素晴らしいビューポイントらしい。遭難の話は身がつまされる。確かに宝剣岳って毎年遭難のニュースを聞く。目の前で滑落されたら、その先進めるか?!600メートルのボブスレーコースにヘルメットも飛んでしまうそうだ。恐ろしい。茅野駅に到着。M浦ガイド、本当にありがとうございました。直前の雪不足、二日目てんくらC予報の中、最高の山行が実現しました。またまた素晴らしい山行となりました。

 

あずさの指定はやはり完売。ナイスミドルとナース女史と別れて駅ビル(ベルビアと言うらしい)のトイレへ。清拭して出てくると、ザックを見た掃除のおばさんが「赤岳行って来られたんでしょ?」「はい。天気がなんとかもってくれて。ちょっと怖かったですが。」「ご無事で何より。」「ありがとうございます。」なんか嬉しくなる。お土産買ってからホームへ。30分待つ15:18発のスーパーあずさに並ぶ。フリースを濡らしてしまったので、ブレスサーモの上にシェルを被り、もってこタオルで首を保温。10℃微風。先ほどまで雪の中にいたとは言えやはり寒い。座れますように!祈り続けたら余裕で座れた。

甲府でほぼ満席。しばし目をつぶり睡魔に任せる。良い山行だった。満足、充実、感動、幸福・・そんな形容詞が次々と浮かぶ。スーパーあずさは甲府盆地から峠に登り、737のように左右に旋回して行く。高尾駅通過。思えば再開登山のはここから始めた。ミレーの先代ザックにスニーカーだったな。あれから積み重ねた山歩き。先ほどの登頂を思い返すとちょっと胸が熱くなる。「今でも思い出すと胸の奥が熱くなる。とにかく一言で伝えるのはとても難しい・・・。」何のキャッチだったかと懸命に思い出したら、「アルゼンチンババア」の堀北真希ちゃんのナレーションだった。3月が近づくに従い、毎日のスクワッドを60708090100回、踵上げ305070100回。ストレッチ3040秒。ジョギングは週末に加えて水曜日にも。大枚はたいてアルパインツアーの岩稜歩行講習会に参加。2月には那須岳での耐寒訓練が好天に阻まれてしまった?!ので、掟破りの月2回目の山行をてんくらCの赤城山(一応“赤”繋がり)で。頑張りましたな。八王子では、松本以遠から乗って来たと思われるバリエーション装備の登山者が沢山下りた。そしていつものとおり30分後には高層ビル街の光の海に滑り込んで行った。

 

さて、一先ず目標とした積雪期赤岳登山は達成した。18歳で登れなかった八ケ岳の主峰。40年後、しかも積雪期にリベンジするとは思いもしなかった。幾つになっても目標を持つっていいことだ。来年は独標か、白馬か。槍はちょっと手が出せない。唐松はソロかな。夏は甲斐駒、飯豊と決めているが。その前に残雪のどこかに行かねば。西吾妻は樹氷無くなっちゃたかなぁ?う~ん、やはり山歩きは止められない止まらないかっぱえびせん。

 

201939日(土)~10日(日)

 

0530 起床

0630 自宅発

0700 新宿着

0800 発

1006 茅野着

1230 美濃戸口発

1330 赤岳小屋

1400 堰堤広場

1510 赤岳鉱泉

1600 行者小屋着

1800 夕食

1930 就寝

 

0530 起床

0630 朝食

0730 行者小屋発

0858 赤岳山頂着

1003 赤岳展望荘

1050 行者小屋着

1150 中ノ行者小屋跡

1340 美濃戸口着

 

1518 茅野発

1724 新宿着

1800 帰宅