"禁書"の領域に足をつけるか !
一筋縄でゆかぬのが人間であり、儘ならぬのが人の道~ なのだわ♬
画・ロトと娘たち 作・ジョバンニ・フランチェスコ・グエリエーリ 1617年
ボルゲーゼ美術館収蔵 (ローマ)
"禁書"の領域に足をつけるか !
世に問う作品と仕上げることが我が仕事。
「何故書かぬ。書け」と堕ちて来た。チョット避けるよな普通。
ロトと娘たちというこの画。
「創成期第十九章 ロトと娘たち」 ジョバンニ・フランチェスコ・グエリエーリ作
素晴らしくもドラマティックな仕上がりとなっており、鑑るものを物語の中に引き込む力感に溢れた作品。ローマのボルゲーゼ美術館収蔵
チョイと画のさわりを
父の手が、闇を溶かしこみ織り上げた、ベルベットをおもわせるキメの細やかな肌に置かれる。
姉の体が驚いたようにビクッと、脈打つ。
今日の姉は饒舌だった。いつになく。
「わたし見ちゃったのよ… ちょっとだけ。お母さんが後ろで塩の柱にされるところを。だって怖くて、恐ろしくて… お父さんも見た? お前は? もう、わたしたちこれからどうすればいいのよ。おとうさん ! 助けて ! ! わたしたちを」
姉は饒舌だった。恐怖を一人抱えることが耐えられないと云わんばかりに、その模様のすべてを微に入り細に渡って言葉とした。
父の手が姉の肩に置かれる__________。 もう何も喋る必要はないとでもいうように。
子供のころに抱いて眠むった姉を慈しむように。
温かな眼差しを… 。いや父の眼差しが姉へとそそがれることはなかった。
わたしは姉を見ることなく葡萄の酒を父にそそぐ。
父の目が、なみなみとつがれた葡萄の酒をみている。違う… 顔を照らし出す炎を見ているのだ。紅蓮にさかる炎を。焼かれる覚悟を決めたように。
今夜は姉_________ そして明日は…… 。
神さま____________。
詳細は書かない。やっと方向が決まった。
どう書こうかずっと悩んでいた。はじめからテーマは決まっていた。
2020年のあべのハルカス美術館・カラヴァッジョ展で見初めてから焦がれていた。
これは… 私のものだ。
来週中に割を終わらせる。
さて。
人間の持つ根源的カルマは、ときに三面鏡を想わせる。ご用心。その三面鏡が映しだす画が三面とも同じとは限らない。心配メサルナ、神でさえ三位一体をうたう。
たぶん… きっと… カラヴアッジョはそれを知っていたはずなのだ。だから三枚描いたのだ。このタイトルを。そうみると最後の一枚に想いは向かないかい ? 向くだろう。何色のユディトを、どんなユディトを描いたのか____________と。
わたしがこの画に捉われたのは、それが理由である。
本日脱稿 ! ! さて。ぶち込む ! !