【コピー】◆永久保存版・ハラール認証と国際交流 | 異端のTourism Doctrine

【コピー】◆永久保存版・ハラール認証と国際交流

読者の方が引き出してくれた原稿だ。心から御礼を申し上げます。

多分、勉強をしておられる御仁だろう。役に立てれば書いた甲斐もあるというもの。

有難いことに、長ーく少しずつ、少しずつ、各方面から引き出して頂けている。

まぁ、この手の原稿の存在意義というものは、そういうものだと合点しているのだが。

 

今から概ね7年前に書いた原稿だが、自画自賛をご寛容頂けるのであれば、色褪せることは無い原稿の一本だ。

言葉足らずを付け加えるのであれば、トレサビリティーという言葉に尽きようか。

宗主国でも無ければ、イスラーム教国でもない。

信仰信教の自由が担保された国である。

また、制度上、宗教による政治不介入が明文化された国だ。

 

結論としては、凡ての国民と、この国を訪れるゲストの皆さんが不利益を被ることなく、トレサビリティーを機能させ、選択の権利を正常に働かせる制度設計とするべし。

それが日本という国が内外に向けて担保すべき責任である。

その役割の一端を担うのがTPPということなのだが、現時点においては"目的"であって手段にまで至ってはいないのが現在までのTPPのあり様と申し上げることが出来るだろう。

 

汗をかくしかあるまい。既成事実だけでは後に、そして各方面に禍根を残す。

 

 

以下、初稿。2014/09/18

 

非常に難しい文章になると思う。

この難しさは、読み手にとっての難しさということではなく、私自身がキッチリ伝えられるのか・・・という難しさとご理解して頂きたい。ともすると「否定」「批判」てき文章になりうるので、けっしてそうではないということを頭において読んで頂きたい。

 

関西を中心に活躍する大学の先生と2時間以上に渡ってやり取りする機会を頂戴した。

このご仁は、主にイスラム圏からの留学生支援に力を入れられ、日常の生活から、困り事やヨロズ事の相談までをこまめに面倒を見ていらっしゃる、素晴らしいご仁であられる。

私など到底真似のしようもなく、その高邁な取組には心から敬意を表する次第だ。

 

そんな氏と、ハラール認証に関連した話しになった。

氏は、「立場上」認証機関と近いところでもお手伝いをされている。いわゆる「ローカルハラール」だ。

その根拠は明確で、日本で暮らす留学生をはじめとするムスリムの皆さんが困らない様に。

との着想に根ざしていらっしゃる。

 

現在国内で、これらのハラール認証事業に取り組むほとんどの方が同じような思いでこれに取り組んでいるのだろう。留学生だけではなく、観光客や日本へ訪れるゲストの利便性を向上させ、滞在を安心なものにして頂く。その為にイスラーム教徒が必要とする「ハラール認証」を普及しようとする。

国は、経済成長のカンフル剤として20億人、300兆円という巨大マーケットである「ハラール」への取組を通じその恩恵に預かろうとする。

 

それもよかろう。

 

しかし今日。

決定的な立ち位置のズレを認識した。

 

どちらがどうということでは無い。それぞれの立場と立ち位置が完全に違うというだけだ。

 

「ハラール」及び「ハラール認証」を推進される方にとっては「必要な人」の立場でこれを推進しようとする。

 

しかし私の場合は「必要とする人」が居る以上、「必要としない人」「必要とすることが出来ない人」の存在を忘れるべきではないという処から考えさせて頂いている。

制度設計とはそうあるべきだろうと思う。

流されることなく、偏ることなく、遍く一切の人々に染み込むことが制度設計の「肝」ではなかろうか。

私にとっては「ハラール研究」が目的ではないし、ゴールではない。

これを突き詰めることをゴールとして定めるのであれば宗旨替えすることで凡ては片付く。なんの疑問も持たなくて良い環境に身を置くだけで事足りる。

 

お陰様で人より早くこれらに取り組み始めていたこともあり、その大半は理解が出来る。

現状起こっていることの、どこに問題があり、どの様にすれば良いのかも人様よりは見えているつもりだ。

 

単純な話である。

政教分離を謳い、信教の自由を謳う私達の国日本が「ハラール」を取組べきファクターの一つとして選択した以上、その他の存在もカバーすることが義務として発生してしまったに過ぎない。

国が云わなくばなんてことは無かった。

こういうのもあるみたいだよ~「民民」の取り組みである。しっかりやって頂きたい。これで事足りたわけだ。

 

ホテルやレストランはみんな観光庁の発言を寄らば大樹の陰として、頼り、信用し、その存在意義や有効性も判らないまま、半信半疑のまま認証取得に動き始めている。

基づくべき場所不在のままトレンドに流され、グランドデザインや、汎用上のプラットフォームも持たないまま軽挙妄動することの危険性は計り知れない。

 

グランドデザインありき

そして制度設計

汎用プラットフォーム構築

もう一度しっかりと組み上げて頂きたいものである。


 

今のところ発信されるのは「必要とする人々」からの声だけである。

この状況からは「本質」は絶対に見えてこない。

何が変わり、消費がどう変わり、必要としない人達、必要と出来ない人達は何に気をつけなくてはならないのか。

制度設計機関の存在が問われる局面と腹を括って頂きたい。