◆閲覧注意・閲覧は自己責任で。二枚の「ホロフェルネスの首を切るユディト」 | 異端のTourism Doctrine

◆閲覧注意・閲覧は自己責任で。二枚の「ホロフェルネスの首を切るユディト」

 

 

ホロフェルネスの首を切るユディト

 

 以下初稿 2019/09/27

 さて、2019年12月26日から大阪・あべのハルカス美術館で開催されるカラヴァッジョ展では、このホロフェルネスの首を切るユディトが鑑られるようだ。なんと素晴らしい機会だろう。今から楽しみで仕方がありません。(注意)結局この画はイタリア側の都合から展示されませんでした。本当のところは_________違うものが機能したとみることも出来そうですが(笑)

 

大 阪 展

会期:2019年12月26日〜2020年2月16日
会場:あべのハルカス美術館
  ←Link
住所:大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16階 ←Link

 

 このカラヴァッジョ、生涯でこの「ホロフェルネスを首を切るユディト」を3枚描いているらしいのですが、そのうちの一枚が2016年に、南フランスのトゥールーズという町で見つかった。真贋鑑定の段階ではいくつかの考え方が出ていたようですが、一応、カラヴァッジョの真作として結論をみたようであり、これに基づいて2019年6月27日にオークションにかけられる予定が立っていました。

 それが下に紹介する作品。

 

ホロフェルネスの首を切るユディト

 ところが !

 この画、オークションの2日前に突然持ち主が「主要な美術館」に近い筋と直接の売買契約を締結してしまい、とうとうオークションには掛けられず終いとなってしまったのです。この行を読んでご理解いただけるように、詳細情報は一切出ていません。購入者名、美術館名、購入金額、全てが「謎」に包まれているのです。オークション前の事前観測では、160億円の値がつくとも云われていたこの画。

 つい先ほど、やっと手が空いた私は、とある海外のメジャーな美術館にレターを配信させていただきました。「ひよっとして、この画"も"そちらにありますか? もしもお持ちでしたら、"あれ"と一緒に観ることが出来る機会を楽しみにしています」と。おとなしく返事を待ちたいと思います。

 

 さて、みなさんはこの二枚の画を鑑て何を感じられるのでしょう。先にも書いたようにこの画はあと一枚あると云われているようなのですが、現時点ではそれがどこにあるのかは杳として知れないといいます。

 

 このトゥールーズのカラヴァッジョ(黒のユディト)に描かれたユディトの顔を見て欲しい。

あの目線の先に彼女は何を見定めたのでしょう。もしも、猫が扉の隙間から入ってきたとすれば、立ちどころにミャーとひと哭きを残したまま部屋を後にしたかもしれません。

 

 首元に多くの罪(Sin)を宿した婆さんはユディトに何を呟いているのだろう。

「そうさ、ユディト。もう少しさ。あと首の皮一枚だけさ。これであんたは神の恩寵を受けられるのさ」

婆さんの狡猾な唆しに乗ってしまった哀れなユディトはそれに気付かないのか。ユディトの衣服は白地から、まるで処刑人の如き黒い服装へと変わり果ててしまった。

 この2枚の絵が連作だとしたとき、そんな物語が生まれるのかもしれない。

 

 また、云われている様にこの画が三部作だとしたとき、最後の一枚はどんな画姿が想像できるのでしょう。白の前に続くのか、黒の後に続くのか_______________。それは光と闇を包み込む、大いなる存在に繋がっていくのだろうか。

 

ホロフェルネスの首を切るユディト

 

 

~了~