◆JAS法「ハラール」に動く !・・・への、専門家からの意見
農林水産行政、食品安全行政、食品海外輸出行政に関する専門家として、一線で活躍して来られた私の師筋から貴重なご意見を頂いたのでご紹介したい。
ここで紹介する意見は「現実」を客観的に捉えたものであって、感情論から派生する否定的な論説ではないというのは読んで頂ければご理解頂けるだろう。
専門知識が無いと読み解くことは難解かとも思われるが、このブログへのお運びレギュラーの皆様ならご理解頂けると存じます。
いよいよ、話しはコアな部分へと進んできましたね~ワクワクwww
以下、はじまりはじまり~
■特 別 寄 稿■
なるほど農林水産省は、さる団体に委託して、今年はJAS法の新分野候補としてハラールを取り上げるようで数百万円の国費を使うようですな。
http://www.maff.go.jp/j/supply/itaku/syouan/pdf/260523_syouan_siyou1.pdf
平成26年度新分野JAS規格化委託事業仕様書
ただしその後これを実現し、JASにハラールを適用しようとすると以下のJAS法条項が問題となります。
第一章 総則
(法律の目的)
第一条 この法律は、適正かつ合理的な農林物資の規格を制定し、これを普及させることによつて、農林物資の品質の改善、生産の合理化、取引の単純公正化及び使用又は消費の合理化を図るとともに、農林物資の品質に関する適正な表示を行なわせることによつて一般消費者の選択に資し、もつて農林物資の生産及び流通の円滑化、消費者の需要に即した農業生産等の振興並びに消費者の利益の保護に寄与することを目的とする。
(登録認定機関の登録)
第十六条 登録認定機関の登録(以下この節において単に「登録」という。)を受けようとする者(外国にある事業所により第十四条第一項から第三項まで、第十五条第一項、前条第一項、第十九条の三又は第十九条の四の認定(以下この節、第二十条第一項及び第二十条の二第一項において単に「認定」という。)を行おうとする者を除く。)は、農林水産省令で定める手続に従い、農林水産省令で定める区分ごとに、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付して、農林水産大臣に登録の申請をしなければならない。
2 農林水産大臣は、前項の規定による申請があつた場合において、必要があると認めるときは、独立行政法人農林水産消費安全技術センター(以下「センター」という。)に、当該申請が第十七条の二第一項各号に適合しているかどうかについて、必要な調査を行わせることができる。
以上の通り、ハラール認定機関(登録機関)を設けなければなりません。有機認証については100以上の認定機関があり、内外無差別です。
したがってハラールの場合、JAKIMもMUIも日本法人を通じて登録を求めてくるでしょう。
その可否判断を誰がするのか。
日本にも、ハラール認証のあるイスラム国のウラマーをしのぐ方々はおられます。
しかし、そういう方は、こういうところでの法学論争を好まれないでしょう。
有機に準ずればハラールについても、
Ⅰ ハラール農産物の生産行程管理者
Ⅱ ハラール加工食品の生産行程管理者
Ⅲ 輸送・小分け業者
Ⅳ 輸入業者
について、公開基準を設ける必要があります。
イスラム法に基づくこうした判断を、消費・安全局表示・規格課
が、可能とは到底思えません。(政令に基づき大臣が任命)
なぜなら以下の有機JASに準じなければなりませんから。
http://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/pdf/nosan_handbook_5.pdf
いずれにせよ、法律に基づく規定である以上、有機JAS並の再現性・公明性のある規格であることが求められます。
しかし、ハラールはハラールでない食物の共通定義がないに等しい上、ハラール物資とそうでない物資との接触を禁ずることや、味の○事件の例の通り、残存タンパクの有無を超えた、いわば「穢れ」の概念であることから、法律になじまず、かつその実行に際して登録認定機関間でバランスを欠いた指導が必ず行われることとなります。
なぜなら宗派が異なるからfatwaも異なるためです。
ハラール認定が日本の法の目的にかなうか。議論は生ずるでしょう。
ノンムスリム消費者にどう知らせるかを含めて、こういう制度を設ける費用対効果、収益率はどうなのかということです。
よって、当ブログ主が提案した、各宗派の食に関する祭祀にある程度配慮したカテゴリー化「USMAC
」、Faithfully&Faith
「○○フレンドリー」を、
政府の実質的オーソライズのもと、業界団体が一致して行うことが、妥当と考えます。
-----完-----
本文掲載・監修責任
一般社団法人 国際観光政策研究所 所長
さて、如何でしたでしょうか。一見、JAS法とハラールの結節は無理である。
という論調に聞こえる様ですが、JAS法のロジックが無理だということではないでしょう。そこに行きつく前に整えるべきことがあるのではないか?ということと理解できるようです。
例えば、政教分離の原則であり、CODEXの汎用基準であり、もっと手前に取り組むべき切り口はあるだろう~ということのように感じられます。
例えて言うなら・・・心臓手術。
通常、大きな心臓手術の場合は、人工心肺を使い、血液の流れを迂回させてから心臓の手術をするのが当り前化しています。
今回の「JAS」法汎用が制度化された場合、この「人工心肺」への迂回措置をせずに心配手術をやるという矛盾が起きないのか? という問題提起ではないでしょうか。
もちろん、農林水産省さまも、まずは「調査」と「勉強」に乗り出しているわけですから、現状はどの様な治療が必要かと云うことを精査している段階でしょう。
荒療治と手抜き診療は違います。
ハラールだけではなく、国際社会に存在する信仰から派生する「ルール」を溶かしきることが出来る制度設計が求められるようです。
一般には中々難解な問題です。
師曰く
・・・ハラールはハラールでない食物の共通定義がないに等しい上、ハラール物資とそうでない物資との接触を禁ずることや、云々・・・
と申されておりますが、日本のハラール認証の汎用状況を俯瞰した時。おかしなおかしな・・・ムスリムからするなら全くもって面妖な認証状況も顕在化しているのです。
例えば穀物、野菜類
これらの存在は原則「ハラール」です。
これにハラール認証マークをつけることの面妖さを、「当該消費市場」の皆様は笑っていらっしゃいます。やはり、この国はハラールを判っていない。と。
そもそもハラールとは「ハラーム」と接することを避けることが基本的大前提の上に存在しているのです。
ハラール認証をつけてブランド化することが悪いとはいいません。むしろ賛成かな
しかし、この大前提を置き去りにした取り組みは、当該消費市場の人々にどれだけの人がその意味付けを説明出来るのでしょうか。
怪しいもの、判断のつけがたいモノへの接触を避けるために存在するのが「品質保証マーク」としてのハラールマークです。
だとするなら・・・その様な状況を招く一つの要因ともなっている「認証」を出す側の責任も忘れるべきではありません。
この国はなんにでもハラールマークをつけている。おかしな国だ。意味が判っていないのではないか~
当該消費市場に在する人々が見るのはここまででしょう。
即ち、そこで発生する損失は、凡て認証受給事業者に帰結することになるのです。
自分たちは「ブランド化」に取り組んだつもりでいても、当該消費市場の人々からするなら、エッ?このサプライが「ハラール」ってどういうこと?
てことは「ハラーム」なものが存在するつていうことなの?ということになってしまいます。
この様な状況を是正することは必要です。
消費市場が判り易く消費できるような仕組みを創り上げることが望まれるでしょう
同時にこれらの信仰を持たない人々も安心して消費できる仕組み作りが必要でしょう。
