東京株式市場で個人投資家の投資意欲が低迷している。個人は安値で買って高値で売る「逆張り」に特色があるが、今回は先行き不安から買いを手控える傾向が強 い。株安による信用取引の含み損も重荷になっている。海外勢の売りに買い向かう個人が少ないことが、日経平均株価が連日で年初来安値を更新する一因になっ ている。
 
 

 個人の売買が多い新興市場では24日、日経ジャスダック平均株価が7日続落。松井証券では同日のジャスダック市場の売買注文で売りが買いを 上回った。個人は逆張りスタンスが一般的だが、「株価が一方向に下げ、下値のメドをつかめないため、これまでの逆張りパターンが崩れている」(窪田朋一郎 マーケットアナリスト)という。


 

 信用取引で買った銘柄の含み損拡大も買い意欲低迷の理由だ。18日時点の信用評価損益率(東京・大阪・名古屋3市場ベース)はマイナス 20.57%。前の週から0.2ポイント改善したものの、「信用取引の期日が到来した含み損のある銘柄を売却したことが改善の主因」との見方が多い。


 

 直近の評価損益率は悪化しているもよう。松井証券では24日時点でマイナス21.75%と10月7日以来の水準に悪化。別のネット証券では「22日時点で10月末と比べて4ポイント悪化した」という。


 

 個人の買い手控えを示しているのが、預かり資産全体に占める現金比率の上昇だ。カブドットコム証券では通常2割以下の現金比率が足元では 23~24%に上昇。荒木利夫営業本部副本部長は「投資家が株を売却した資金をほかのリスク資産に振り向けず、現金に滞留させている」と話す。


 

 市場では「利益を確定できるような上昇局面がないため、個人顧客の売買頻度が落ちている」との声が出ている。


 

 海外投資家の売りが膨らむ局面では、個人の買いが相場を下支えする役割を果たしていたが、足元の個人の動きは鈍い。リスク資産圧縮を急ぐ海外投資家の売りを吸収できる主体がいないことが、需給面で相場全体の下げを加速させている面もある。