証券投資の巨額損失隠しが発覚したオリンパス。上場維持かどうかは不正会計の実態のほか、同社が今後、市場関係者が納得する「再生可能性」を示せるかどうかにかかっている。


 

 上場維持に向けオリンパスは外部専門家だけで構成する「第三者委員会」を設置。委員会は近く損失計上先送りの経緯や経営改善策を盛り込んだ報告書をまとめる。これを受け、同社が四半期報告書を期限内に提出できれば上場維持への最初のハードルは越える。


 

 同社は過去の有価証券報告書なども訂正する。東京証券取引所が虚偽記載の「内容、経緯、原因、情状その他の事情を総合的に勘案し、影響が重大」ではなく、他の廃止基準にもふれなければ上場維持される。

 



 一般に、上場廃止になると流動性が落ちるため、債務超過などではなく価値がある株式の保有者は損害を被る。一方で、虚偽記載をした企業の上場を安易に認めると、経営者の規律だけでなく株主の経営監視への意識も甘くなる。


 

 巨額、長期間の不正会計に揺れるオリンパス。違法行為に直接、手を染めた役員個人の責任追及は当然として、見過ごした他の役員の責任も軽くない。「市場の規律」を守る立場にある東証が、十分な再発防止策が示されないまま上場維持の判断をすることはないだろう。


 

 オリンパスの菊川剛・前会長らは、過去の企業買収の経緯に不信を抱いたイギリス人の元社長の経営手法が「独断専行的」として解任。菊川氏は社長 に復帰したが株価低迷などですぐに交代、新社長になった高山修一氏も元社長を「独断専行的」と評した。高山社長は損失の穴埋めに使われたとされる 企業買収の経緯について、委員会報告を待たずに「適正だった」と言い切り、その後、撤回した。他の取締役、監査役の大半も長らく任にある。