既に実態調査に乗り出した。来年3月末までに都内の全てのマンションの調査を完了の予定。分譲マンションはマンション管理組合や管理会社 に、賃貸マンションはオーナーの法人や個人にアンケートを送付する。返答がなかった場合や回答が不十分だった場合には、訪問して聞き取り調査する。
マンションの所在地や総戸数、築年数のほか、管理組合の活動状況など建て替えや耐震化を進める実態も調査する。特に1981年に改正された旧耐震基準に基づいて建てられたマンションは全棟で耐震診断や改修の有無など耐震化の取り組み状況を精査する。
データベースはインターネット経由で情報サービスを提供する「クラウドコンピューティング」の技術を使う。マンション施策の主体となる区市 町村の利用を前提に区市町村によるデータの更新も可能にして、常に情報を最新の状態に保つ。調査費用とデータベースの構築費用合わせ事業費は約1億 5000万円。
都は完成したデータベースを耐震化や建て替え促進に生かす。例えば住人の合意形成が進まない多くの事例について分析。都が主催する専門家会議の議論に分析結果を役立てる予定。
区分所有法で建て替えの決定に必要な住民の割合の緩和や、借地借家法で住民に強制的な退去を求める正当事由に耐震化に必要な建て替えを認めるなど国への要望も検討する。
都によると、都内で築40年を超す分譲マンションは2008年時点で約5万4000戸で、23年には42万8000戸にまで増える見通し。 都はこれまでも建て替えのアドバイザー派遣や耐震改修費用の助成などをしてきたが、住民間の合意形成の難しさが障害となり耐震化は進んでいなかった。
耐震化の状況は区市町村も実態を正確に把握できないのが実情。データベースの活用により、区市町村は老朽化マンションの管理組合などに耐震診断や耐震改修の助成制度を紹介するなど積極的な働きかけが可能になる。