介入を受けて31日の東京市場で円相場は急落し、対ドルでの円の値幅は4円3銭に達した。1日の値幅としては円売り介入が実施された1999年1月12日以来、12年9カ月ぶりの大きさ。3円程度だった前回の介入(8月4日)を上回った。
介入で大きく円安に動いた背景には海外投機筋が円の買い持ち高を多く持っていたことがある。海外投機筋は、介入で相場が 円安に振れたことで損失確定の円売り・ドル買いを迫られ、円安の流れを勢いづかせた。輸出企業の円買いも入ったが、それを上回る円売り圧力。
政府・日銀は断続的に介入を実施したもよう。安住淳財務相が介入後に「納得いくまで介入する」と発言したことを踏まえ、市場には「11月1日以降も介入が続く可能性がある」との見方がある。
ただ、ヨーロッパ、アメリカ各国は相場水準の押し下げを目的とする介入には否定的。3日にカンヌ・サミットが開幕するため、「11月1日の東京市場が最後の機会」との声も出ている。
円の上昇圧力は残るとの見方が多い。アメリカ連邦準備理事会(FRB)が1~2日に開くアメリカ連邦公開市場委員会(FOMC)で今後の金融緩和への示唆があれば、円高・ドル安が進みやすくなる。
足元で円はユーロに対して一時1ユーロ=111円台と約2カ月ぶりの円安水準まで売られたが、「ヨーロッパ情勢についてやや楽観的すぎる」との指摘もある。円買い・ユーロ売りが進み、円がドルに対しても買われる可能性は残る。31日も取引が東京市場からヨーロッパ市場に移ると、円買いの動きが活発になった。
政府が介入に踏み切るまでは1ドル=75~77円台半ばの狭い範囲の取引が2カ月以上続いていた。今後は政府の介入姿勢やヨーロッパ、アメリカの経済情勢をにらみつつ、値動きが荒い展開が続きそうだ。