太陽光発電や住宅、エコカーなどをつないで効率的な電力利用を目指す「スマートハウス」。このシステムの性能や効果を確かめる実証実験が今年9月、愛知県豊田市で本格的に始まった。将来の普及を見据え、ノウハウを蓄えている。


 このプロジェクトは経済産業省が進める「次世代エネルギー・社会システム実証地域」の対象。豊田市は全国4エリアのうちの一つだ。同市がまとめ役となる協議会にはトヨタ自動車や中部電力、名古屋大学など27の団体・企業が加わる。


 

 実証実験は2014年度まで。住宅を中心に、エコカーや商業・公共施設など地域全体でどれだけエネルギー効率を高められるかが大きなテーマだ。


 

 なかでも注目を集めるのが日常生活の舞台となる住宅。実証用の住宅はトヨタホームなどが来年度にかけて67戸を分譲する。最終的には230戸まで増やす計画だ。

 

 スマートハウスでは、太陽光パネルで発電した電力を蓄電し、家電製品やプラグインハイブリッド車(PHV)や電気自動車(EV)の充電などに使う。一方、非常時にはエコカーの電池にある電力を家庭に融通することも可能だ。

 

 スマートハウスの電力消費を制御する司令塔が「HEMS(家庭用エネルギー管理システム)」。リビングにモニターとして設置し、電力の需給を確かめたり、機器を動かしたりする。


 

 豊田市の実験では、太陽光パネルやPHV・EV、蓄電池などを15年1月まで無償で貸与。電力消費の効率化につながるデータを集め、今後の 開発などに役立てる。さらに、今回のプロジェクトは個々の家にあるHEMSを連携させ、地域全体で最適な電力利用を目指すシステムも検証する。


 

 また、トヨタホームはこの実験とは別に、一般向けのスマートハウスも年内に発売する。一方、トヨタは来年1月にPHVを販売予定。家とエコカーの相乗効果で市場拡大を目指す。トヨタホームは豊田市での実験の成果を踏まえ、今後の製品やサービスに活用する。


 

 エネルギー効率をさらに高めるための新製品もある。トヨタは芝を敷いた緑化駐車場を開発。駐車場に水をまいて温度を下げる機能を持たせた。都市部全体の緑化も進める。スマートハウスと連動させ、電力消費をもう一段減らす狙いだ。