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本株の戻りが鈍い。ヨーロッパ、アメリカの主要な株価指数が直近高値をつけた8月末の水準を相次いで上回るなか、日経平均株価は同水準を回復できないでいる。円相場の高止
まりに加え、タイの洪水の影響が長引く懸念があるためだ。市場では、主要企業が東日本大震災の影響を乗り越え、10月から始まる下期に企業業績がV字型で
回復するとの観測が後退している。
世界の主要な株価指数の動きを示すMSCIオールカントリー・ワールド指数が直近高値を付けた8月31日を100として、日本、アメリカ、ヨーロッパの主要株価 指数の動きを指数化した。アメリカ、イギリス、ドイツの主要指数はすでに8月末の水準を回復して上昇している半面、日経平均株価は依然として下回っている。
日経平均は9月末まではアメリカ、ヨーロッパの主要株価指数に比べ底堅かった。だが10月上旬にタイで洪水の被害が広がると、戻りが鈍くなった。電機、自動 車などの主要企業は生産や販売のコストを低減する目的でタイでの生産を増やしている。現地の工場の休止が長引けば国内や他の海外での生産活動にも波及し、 「業績への影響も広がりそうだ」
円相場が高止まりしているのも重荷だ。先週末のアメリカ市場では円相場が対ドルで最高値を更新。アメリカ連邦準備理事会(FRB)が追加的な金融緩和を 実施するとの観測から、円相場の高止まりが長引く可能性もある。アメリカ、ドイツでは通貨安が企業業績を支えている面もあり、見直し買いが入っている。
アメリカ、ヨーロッパの株式市場では、主力の業種がそろって上昇しているのに対し東京市場では、これまで消去法的に買われてきた内需関連株からも資金が流出 している。「国内市場の縮小や増税による消費意欲の減退が気掛かり」との声も出ている。