国土交通省と住宅金融支援機構は来年度から、省エネ改修や耐震性向上策などを施した中古住宅を購入した人に低利融資する制度を始める。改 修などで条件を満たせば、機構が取り扱う長期固定金利の住宅ローン「フラット35S」を使えるようにする。成長が見込まれる中古住宅の取引を活性化させる 狙いだ。
フラット35Sは機構が民間金融機関と提携して2005年に始めた最長35年の住宅ローン。省エネなどに優れた住宅を対象に民間より低い金利で長期融資する。政府は年内にも当初5年間の金利をさらに0.7%優遇する措置を導入する方針で金利は年1%台となる。
ただフラット35Sは省エネ性能などの条件が厳しいため、そのままでは中古住宅の9割以上(5千万戸以上)が対象にならない。また現状では個人が住宅を改修して条件に合わせても融資の対象とはしていなかった。
新制度ではもともとはフラット35の条件を満たさない中古住宅でも、(1)窓を複層ガラスや二重サッシにする(2)壁に断熱材を入れる(3)部屋の段差を直し、浴室に手すりをつける――などの改修をすれば融資対象とするよう制度を見直す。
個人は中古住宅の省エネ改修などを前提に民間銀行の窓口で融資を申請する。機構が指定する専門機関が中古住宅の図面などをチェックし、改修で条件を満たすと判断した場合には融資する。
政府は現在4兆円の中古住宅の流通市場と6兆円の改修市場を20年までに2倍にする目標を掲げている。新制度を足がかりに、数年内にフラット35の中古住宅向けの融資規模を約7000億円に広げる考えだ。
日本の住宅流通に占める中古住宅の割合は14%。アメリカの78%などに比べ小さい。人口減で新築が増えることは考えにくく、中古住宅市場の拡大が課題となっている。