12日の東証1部の売買代金は9750億円と、9月21日(9558億円)以来の1兆円割れとなった。9月半ばごろは米国の金融政策を見極 めたいとして市場で様子見姿勢が強まっていた。その後、ヨーロッパ債務問題を巡る警戒感などから投資家が盛んに株式を売買する場面があったが、再び商いが低調に なりつつある。
取引時間中の日経平均の高値と安値の差を示す日中値幅も縮小傾向。12日は73円64銭にとどまり、5日移動平均ベースで約3週間ぶりの低 水準となった。「欧州問題の先行きはなお不透明で投資家が動きづらいうえ、日本独自の材料に乏しい」ことが、相場の膠着を招いている。
海外の主要な株価指数と比べても、日経平均の値動きの小ささが目立つ。今月に入ってからの騰落率(海外は11日まで)は、ドイツ株式指数 (DAX)が7%高、フランスのCAC40は6%高、アメリカのダウ工業株30種平均が5%高と大幅に上昇。一方で日経平均は0.4%高にとどまる。
9月までの下落局面で日本株の下げ幅が小さかったことが一因との指摘もある。楽天証券経済研究所の土信田雅之シニアマーケットアナリストは 「日銀のETF(上場投資信託)買いが入るとの思惑で日本株は比較的底堅かった。だが下がりきっていないだけに、反発力が小さくなっている可能性がある」 と話す。
これに加えて、長引く円高が企業業績を圧迫しかねないことも株価の上値を押さえている。このため、今後本格化する日本企業の7~9月期決算発表を控え、内容を見極めたいとの様子見姿勢につながっているようだ。
ただ12日には、それまで大きく下げていた機械や海運などが買い戻される動きもみられた。海外投資家の動向がカギを握る日本株は、海外市場に遅れて上昇する傾向がある。景気敏感株への売りは一巡したとみられ、ヨーロッパ問題の動向次第 では日本株も海外に遅れて上がる可能性がある」と指摘する。