金は9月初頭以来、外国資産から国内資産へ、外貨から円へ急激に移動しているという。
日本の個人投資家の国内資産偏重の傾向は以前から強まっていた。投資信託協会によると2008~09年の金融危機前には投信資金の47%が外国資産に振り向けられていた。危機を境に減り続け、今年1月には42%となり現在に至る。
投信への資金の約7割は経験豊富な民間の個人投資家が占める。UBSの為替ストラテジストは、投資家の大半は世界の状況を見極めた上で海外 投資は不利と判断していると指摘する。「ユーロ圏周辺国やイタリア、スペインへの投資は避けたいから、必然的にトリプルAクラスで利回りが魅力的ではない 選択肢しか残らない」という。
日本とブラジルの政策金利の格差拡大を背景に、レアル建て資産への投資残高は10年1月の1兆8000億円から、8月末には2兆6000億 円にまで膨らんだ。しかし為替レートが不利になると対外投資も縮小することも9月には明らかになった。インドネシア、ポーランド、トルコへの投資も各国の 為替レート下落とともに縮小した。
日本の個人投資家は本質的に保守的である。日銀統計によると、3月時点で、個人資産のうち投資信託に投じられているのは3.6%、預金は51%、年金・保険商品は28%だった。
市場が不安定で欧州債務危機が続く限り、「ミセス・ワタナベ」の海外資産への投資は例外を除いて少額にとどまり国内資産志向は盤石ということだろう。