東京株式市場で2008年のリーマン・ショック後の安値を下回る主力株が増え始めた。26日はトヨタ自動車が約8年半ぶり、日本郵船は約27年ぶりの安値を 更新した。ヨーロッパの信用不安が広がり、効果的な財政出動が見込みにくいなか、世界経済の低成長が続くのではないかとの不安が背景にある。
 
 

 この日、年初来安値を更新したのは185銘柄。トヨタが6日に付けた安値を下回ったほか、リコーが約18年ぶりの安値水準に下落。JFE ホールディングス、商船三井も03年以来、約8年ぶりの水準に下げた。こうした景気敏感株にとどまらず、大手銀行株など金融株の下げもきつい。


 

 株式市場ではヨーロッパとアメリカ発の金融システム不安への警戒が強まっている。リーマン・ショック時は世界で需要が急速に減少した半面、各国の財政出動も あり回復は早かった。今回は主要国に財政不安が生じ、景気をテコ入れする有効策が乏しいとの見方から「じわじわと需要減退懸念が強まるばかりで、一層買い づらい」(いちよし投資顧問の秋野充成運用部長)との指摘がある。円高の進行で今後、業績の下方修正が相次ぐとの懸念も投資家心理を弱気にさせている。


 

 半導体関連株の下げも目立ち、26日はSUMCOが上場来安値を更新した。「パソコンは構造的な需要減少が続きそう。関連銘柄の業績が悪化するのではないかという懸念がある」


 

 もっとも株式市場では「懸念が先行し、主力株は売られ過ぎの水準にある」(ヨーロッパ系運用会社)との声もある。鉱工業生産をみると、在庫を出荷 で割った国内の在庫率指数は直近7月で約116(05年平均=100)。150近くまで上昇し在庫がだぶついていた3年前とは状況が異なるといい、あるアメリカ大手運用会社の担当者は「在庫水準が低ければ急激な生産調整や評価損の発生、資金繰り難などは起こりにくい」と分析している。