住宅地の下落率は2ポイント縮小の1.3%。23区で下落率が2%未満だったのは前年は2区だったが、18区に増えた。多摩では2市から25市町に増え、都心部以外でも下落の縮小地域が広がっている。
10年と比較可能な調査地点681地点のうち上昇はゼロ、横ばいは20地点あった。23区内では、新宿副都心や初台駅に近い渋谷区本町1丁 目、JR中央線と西武新宿線から近い中野区新井2丁目などで横ばいだった。多摩でもJR吉祥寺駅、三鷹駅に近い地域では横ばい地点が出ている。
商業地の下落率は2.6ポイント縮小して2.4%。改善しているが、住宅地と比べるとなお下落幅が大きい。特に都心ではその傾向が強く、千代田区の下落率は3.2%(前年は8.7%)、中央区は3.0%(同10.8)だった。
市区町村別にみると、前回、23区で下落率が2%未満はゼロだったが、11区になった。多摩でも2市から17市に増えた。
商業地で10年と比較可能な446地点のうち、上昇は足立区千住旭町の1地点。北千住駅の東口で、東京電機大が来春キャンパスを開設する。 8地点で横ばいだった。23区で下落率の1~4位はいずれも渋谷区。同区内の不動産会社は「下落率の大きい地域では小規模なオフィスが多く、テナントが耐 震性の優れた大型オフィスに移っている」と指摘する。多摩市部では下落率の1~3位を八王子駅周辺が占めた。同駅前では長崎屋が閉店したほか、そごうも撤 退予定でその影響が出ているようだ。
都内でも震災で江東区の一部などで液状化した。このため、臨海部にある準工業地などでは液状化への懸念から下落率が前年を上回る地点が目立つ。新木場4丁目(2.6ポイント)や東雲1丁目(1.4ポイント)、有明1丁目(1.3ポイント)などで悪化した。
不動産調査会社の東京カンテイ(東京・品川)の中山登志朗上席主任研究員は「都内は住宅需要が底堅いことなどから、地価に下げ止まりの傾向 がみられ、今後も現在の水準を維持する。都心部ではやや回復する可能性がある」とみる。これまで住宅需要は国の住宅取得支援策や低金利が下支えしてきた。 ただ、住宅エコポイント制度が7月着工分で終了するなど、支援策が期限を迎えつつある。円高や電力不足などの景気の懸念材料もあり、都は「先行き不透明な 面もある」(財務局)とみる。