3回にわたって書いてきた、理学療法士への道。
今回がその最終章です。
国家試験、そして合格の話。
◆ 国家試験まで、残り3ヶ月
専門学校3年間の最後の関門が、理学療法士国家試験です。
毎年2月に行われる、1日がかりの筆記試験。
合格率はおおよそ7〜8割ですが、落ちる人は落ちる。
「受かって当然」と思えるほど、自分に自信があったわけじゃない。
残り3ヶ月、本気でやるしかありませんでした。
◆ 追い込み期間のリアル
朝起きたら問題集。
移動中も問題集。
夜寝る前も問題集。
食事中以外は、ほぼずっと勉強していました。
食事中も頭の中は問題集でしたが。
1日に解く問題の数を決めて、こなしていく。
その繰り返し。
競艇選手時代の練習と、構造は同じでした。
毎日同じことをこなして、積み上げていく。
派手さはないけど、それしかない。
◆ 試験前夜
試験前日の夜。
もう新しいことは頭に入らないとわかっていたので、早めに勉強をやめました。
布団に入って、天井を見ながらいろんなことを考えました。
転覆した瞬間のこと。
入院中に出会った先生のこと。
図書館で問題集と格闘した日々のこと。
実習で泣きそうになった夜のこと。
ここまでやってきた。
あとは、やるだけだ。
気づいたら、眠っていました。
◆ 試験当日
試験会場に入ったとき、空気が張り詰めていました。
同じ目標を持った受験生が、全国から集まっている。
席に着いて、問題用紙が配られるのを待ちながら、
ふと昔のことを思い出しました。
スタート台に立って、エンジン音が響いて、フライングしないようにタイミングを計る、あの瞬間。
緊張と、覚悟と、「やるしかない」という気持ち。
形は全然違うけど、感覚は同じでした。
「いつでも来い。」
心の中でそう思ったとき、問題用紙が配られました。
◆ 合格通知が届いた日
試験を終えて、あとは結果を待つだけ。
合格発表の日、郵便受けに封筒が届いていました。
手に取った瞬間、心臓がうるさくなりました。
机の前に座って、封筒を前に、しばらく開けられませんでした。
「落ちてたらどうしよう」
その恐怖が、手を止めていました。
深呼吸を一回して、開けました。
「合格」
その二文字を見た瞬間——
泣きました。
声を出して、泣きました。
競艇選手として勝ったときの涙とは、全然違う涙でした。
あのときの涙は「勝った」という涙。
このときの涙は「やっと、なれた」という涙。
◆ 今、思うこと
今、理学療法士として病院で働いています。
患者さんに「また動けるようになりますよ」と伝えるとき、
かつて自分がその言葉に救われた日のことを、必ず思い出します。
あの転覆がなければ、この仕事に就いていなかった。
遠回りしたように見えて、全部つながっていた。
人生に、無駄な事はない。
そう思っています。
転んだ先に、思いもよらない景色が待っていることがある。
それを、このブログで伝え続けていきたいと思っています。
長い話に付き合ってくれた方、本当にありがとうございました。
次回からは、5児パパの日常もぼちぼち書いていきますよ(笑)
お楽しみに!🚤