こころ、ふわぁ~っと。 | 楽しく行こうよ♪

楽しく行こうよ♪

人が好き! 人に優しく♪ 自分にすこし優しく♪

☆★☆

.
女が一人夜の空港で待っていた。
飛行機が出るまであと、数時間。

.
女は空港の売店で本をあさり、
クッキーをひと袋買って、腰をおろした。

.

夢中になって本を読んでいるうちに、ふと気づけば
横にいる男が、こともあろうに、二人の間に置いた
袋から、クッキーをつまんでいる。

.

女は騒ぎを起こすのがイヤだったから、知らんぷりを決め込んだ。

.
女は本を読み、クッキーをかじり、時計をみていたが、
呆れたクッキーどろぼうは、クッキーをどんどん食い荒らしてくれる。

.
刻々と時間がたつにつれ、女のいらいらはつのるばかり…
私がこんないい人でなきゃ、ぶんなぐってやるわ。

.

女がクッキーを一つとれば、男もまた一つ取る。

.
最後の一つが残ったけど、
この男はいったいどうする気だろう?

男は、頬をゆるめ、わざとらしく笑うと、
最後のクッキーを手に取り、二つに割った。

.

その一つを女に差し出し、残りを男は食べた。

女は男からクッキーのかけらをひったくると、
内心思った。

.

「ああ、なんてやつ。この厚かましき、この恥知らず、
一言のお礼も言わないなんて!」

.

こんなに腹が立ったのは、
生まれて初めてだわ。

出発便が呼ばれたときには、
ほっと安堵のため息が出る始末。

.

荷物をまとめて、ゲートに向かい、
「恩知らずのどろぼう」には目もくれずに立ち去った。

.
女は飛行機に乗り、座席に身を沈め、
やおら本を捜した、あともう少しで読み終わるわ。

荷物をまさぐった女は、驚いて息をのんだ。
なんと、自分買ったクッキーがある!

.

「私のクッキーがここにあるなら…」
うちのめされて彼女はうめいた。


「あれはあの人のだった、それを私に分けてくれた…」

謝ろうにも手遅れだと、女は悲しみに身もだえた。

.

自分こそ、恥知らずの、恩知らずの、どろぼうだった。

.
(ヴァレリー・コックス)

.
☆★☆
.

なんか わからないけど
読み終えたら・・

ふわぁ~って 微笑んだコスモでした(笑

.

心が温まるって、いいよね^^