ある日こと、草むしりをしている私たちのところへ
修練長がいらして、おごそかにおっしゃいました。
「草は根っこから抜くものです。
むしっただけでは、またすぐに生えます」
面倒くさそうな面持ちの私たちを見て、続けて言われました。
「1本抜く度に、この世から悪の根が一つ、
根こそぎなくなりますようにと、
祈りながら作業しなさい」
若い修練女たちが、その日の作業を終えた時、
庭はいつもと同じく、きれいになっていました。
でも何かが違っていたのです。
それは修練女たちの過ごした時間の“質”でした。
つまらない草取りの時間は、意味のある時間に変えられ、
一人ひとりの“財産”となったのです。
人間の究極の幸せは、愛されること、
ほめられること、
役に立つこと、
必要とされることです。
<言葉の贈り物>