本日は美容外科医を目指す若手医師向け?の内容です。
美容外科です、美容皮膚科ではありません。
 
完全な私の私見なので悪しからず。
色んなご意見があると思いますので、他のご意見がある方は教えてください。
 
設定としては、医学部学生または研修医とします。
美容外科医として長く働くライフプランを想定。
それなりに成功して、それなりに知名度があって、それなりに稼ぐのをイメージしています。
 
 
①大学の医局に所属する
所属する科目は
・形成外科
・皮膚科
・麻酔科
あたりが良いかなと思います。
 
形成外科は美容外科にもっとも近い科目だから。
これに疑問がある人はいないでしょう。
 
皮膚科の知識は大切です。
皮膚科って私が思うに「職人技」です。
診ただけで診断をつけるのですから、かなりの経験値が要求されると思います。
この診断力は活きるでしょう。
 
麻酔科は麻酔の知識が深まるだけではなく、緊急時の対応などに精通できます。
そういう意味では救急科も良いかもしれません。
全身麻酔を安心して自身で使えるようになれるのもメリットです(中には麻酔科でないのに、全身麻酔を行う医師がいます。私には怖くてできません)
 
逆に
・一般外科
・心臓外科
・脳外科
・小児科
などは美容外科との相性が悪いと思います。
何よりこれらの科は非常に大変。
医師として非常に素晴らしい先生方だと思いますがで、美容外科医になると考えると効率的ではありません。
美容に活かせる内容は少ないのに、苦労が多すぎるかと思います。
 
これらの診療科出身の美容外科医を多く知っているので、お話ししにくいですが・・・
「心臓外科で養われた縫合技術」は美容外科には全く関係ないと思います。
美容外科では心臓を扱いませんよ。
 
医局に所属して5〜10年働きます。
そこで医療の知識を深め、専門医を取得します。
「専門医が美容外科に活かせるか」ですが、はっきり言って活きません。
ただし、美容外科への就職で有利だったり、周りの美容外科医からの視線が変わるかもしれません。
何より自己満が強いです。
大した武器ではないですが、ちょっとでも武器が欲しいものです。
 
 
②その後、大手美容外科勤務
「大手」が良いと思います。
それは単純に症例数が多いから。
 
保険診療を働いた後なので、年齢は35歳前後かと思います。
ですが、美容外科医としては新人です。
新人に美容整形をお願いする患者様は少ないです。
 
最初のうちはビックリするぐらい患者様の数に困ります。
ここで大手美容外科ですと、宣伝効果や破格の価格設定などで患者様が来られます。
患者様側からすると良い話ではありませんが、実際こうなのです。
 
大手美容外科で多くの種類の手術を多く執刀します。
また、マーケチングやカウンセリング能力などを学びます。
当然、SNSは必須です。SNSの更新は毎日、いや毎分やるくらいの気持ちでないと誰からも認知されません。そういう時代です。
 
3年前後働いたら良いかなと思います。
大手美容外科を辞める時には、大切に育てたSNSは消去されるでしょう。
ほとんどの大手美容外科でそうだと思います。
 
これ、厳しい話と思われるかと思いますが・・・
雇う側つまり大手美容外科からすると、せっかく育てた美容外科医を失うことになるのですから、辞めさせないためにもSNSの弱みを握るのは当然かと思います。
そうしないと、大量離職の危機を常に抱えることになります(既に、常にその危機になってる?)
 
 
③中規模美容外科に転職
手術やSNS、カウンセリングの技能はある程度ついたという前提です。
中規模のクリニックに転職します。
 
ここで大切なのは「退職時にSNSは引き継ぐ契約をする」
つまりSNSを消去しない契約を必ず結ぶことです。
 
でないと、それ以降のライフプランが描けません。
 
大手美容外科でのSNSは消去されているので、SNSは一からです。
と言っても、裏垢を持っていた医師が多いと思いますので、本当に0ではないかと思います。
話が遡りますが、大手美容外科勤務時代に裏垢は作るべきです。いや、絶対に作ってください!
 
中規模の美容外科では集客に大手美容外科より苦戦するはずです。
執刀数も減り、売り上げも減ってしまうでしょう。
 
ここでは執刀数の数よりも、手術の質を磨きましょう。
時間をかけて丁寧に手術を行い、技術レベルを磨きましょう。
 
また、大手美容外科時代と同様にSNSの更新を怠らずに行います。
さらに、開業のためにいずれ退職する旨をオーナーに話しましょう。
 
やはり中規模美容外科でも3年前後働きます。
 
④いよいよ開業
SNSなどの集客が安定した時に開業です。
開業するには自己資金も必要ですし、1億円近い借金をすることになります。
 
それなりの覚悟が必要です。
 
開業すれば、治療方針や価格設定など全て自身で決められます。
理想の美容クリニックを作ることができます。
働く場所や時間帯も選べます。
 
大変な分、やりがいは大きいと思います。
 
 
 
以上が私が考える美容外科医としてのライフプランです。
ちなみに私はというと・・・
 
①慈恵医大形成外科に7年勤務(大学医局に勤務)
32歳まで働きました。
形成外科では顔面班に従事しましたが、多方面の治療を学びました。
 
②聖心美容クリニックに3年弱勤務(大手美容外科に勤務)
35歳まで働きました。
多くの美容外科手術を習いました。執刀数はこの時代が一番多かったです。
上記の通りSNSは消去されました(働く前からの契約なので仕方がありません)
 
③東京美容クリニックに2年弱勤務(中規模美容外科に勤務)
37歳まで働きました。
患者様の数は激減しましたが、その分お一人お一人時間をかけた手術を行えました。
ちょっとした不具合や左右差などの自分の修正手術を多く行うようになり、手術の質が上がりました。
 
働く前に「SNSは消去しない」契約にしていたので、SNSは開業に引き継ぎました。
 
④うめだ美容外科クリニックを開業
今ここです。お陰様で予約が半年先まで埋まるクリニックにすることができました。
 
タイミング的にはライフプランより全て早回しですね。
ただ、戦略的に動いたわけではなく・・・
 
①慈恵大学を退職したのは、レース資金に枯渇して、、お金が回らなくなったから(不純な理由です・・・)
②聖心を退職したのは、東京美容クリニックの社長に院長職を誘われたから
③東京美容クリニックを退職したのは、たまたま今の物件を見つけたから
 
です。人生はタイミングなのでライフプラン通りにはいきませんが、常に事前準備が必要です。
他のライフプランもあるかと思います。大手美容外科の役職者を目指すなど・・・
 
最後に私からのメッセージとしては
 
『目の前のお金に目が眩ませないこと』
 
人生は長いです。
最初、給料が安くても・・・技術がつけば後でひっくり返ります。
 
大手美容外科でも給与はバラバラです。
ざっくりいうと、良心的(患者様にとって)や教育的(医師にとって)な美容外科は給料は少なめです。
それでも、一般企業よりは遥かに高級取りです。
最初からお金に目をくれず、長期的に見て良い選択を取りましょう。