患者様側と医師側で「失敗」に関して意味合いが変わります。
Twitterやネットなどで盛んに出てくる美容外科における「失敗」
誰であっても失敗は怖いものであり、避けたいですよね。
患者様側の失敗=不満足
これは仮に手術がうまく達成できていても、希望と違ったり顔とマッチしていなければ「失敗」ですね。
医師側の失敗=医師の過失による不達成
つまり、医療ミスによるものです。
手術にはつきものの合併症や患者様との認識の差異などは「失敗」と扱わないのが通常です。
ここで医師側の言い訳をさせてください。
医学部は6年間の学生生活です。
その後、2年間の研修医としての実践研修を受けます。
そこからは個人の自由ですが、私はさらに形成外科レジデントとして3年間の研修を受け、その後形成外科スタッフとして4年、大手美容外科に3年勤務しました。
医師の教育では「失敗」というワードは特別避けるように指導されます。
そもそも「失敗」するなという意味もありますが、多くは「合併症」や「ご期待に応えられなかった」というワードで発言するように教えられます。
「失敗」というと患者様が心配になるということと、裁判などのトラブルになった時に医師側が不利になる・・・という理由からだと思います。
いかにも日本らしい風潮ですね。
患者様側からしたら、どうでもよい話で・・・満足しなかったら「失敗」という気持ちはわかります。
ですが、ちょっと待ってください。
医師も人間です。
「失敗」というワードは医師にとってアレルギーよりも拒絶反応が出る人が多いはずです。私もその一人です。10年以上、そういう教育を受けてきたからです。
「失敗」というワードを出すのは全員が不幸になります。
まず、執刀医はモチベーションを失うかもしれません。それどころか、以後きちんと拒絶反応の末に診療を拒否したくなる医師もいるかもしれません。
そんなの無責任だ!とおっしゃられる患者様も多いかと思います。
大半の医師は「失敗」と言われても顔色を変えずに今まで通り対応してくれるでしょう。
ですが、今までと同じクオリティの治療を受けられるかはわかりません。
繰り返します、医師も人間です。
(医師の)精神・体調が絶好調の時に治療を受けたくないですか?
「失敗」というワード一言で医師の精神を崩壊させているかもしれません。
内心で「失敗」と思うのは良いと思います。ただそれをちょこっと言葉を変えて発言するだけで、良い結果に繋がるかもしれません。
たいていの医師は患者様の不満にきちんと対応してくれるはずです。
不満足な点を伝え、今後の解決策を話し合いましょう。
ほとんどの場合は再手術ですね。
特に私自身に何かあったわけでも、最近「失敗」と言われたわけでもありません。
SNSでよく見かける患者様の「失敗」というワードに引っかかっただけです。
どの医師も「失敗」と投稿する患者様の手術(修正手術であれ、他の部位の手術であれ)を担当したくないと思います。
そこに手を挙げる医師は、よほど自身に満ち溢れているか、よほど集客に子困っている医師です。多くは後者かと思います。
後者の医師から手術を受けたいと思う患者様は少ないと思います。
ただの私の呟きです。
たった2文字の一言があなたの人生を左右するかもしれません。